FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中協議の進展期待から買い優勢に

NYダウは220.75ドル高の28132.05、ナスダックは63.27ポイント高の8717.32で取引を終了した。トランプ米大統領がツイッターに『中国との大きな合意が非常に近づいている』と投稿したほか、WSJが『米交渉担当者は15日に予定している対中関税第4弾の取りやめと既存の追加関税の引き下げを提案した』と報じると、米中協議の進展期待から買いが広がった。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、キャタピラーなどに買いが集まり、上げ幅は一時310ドルを超えた。VIX指数は14.99から13.94へ低下した。

 

NY外国為替市場:米中貿易協議で原則合意を好感したドル買い

ドル/円は、トランプ米大統領がツイッターに『中国との大きな合意が非常に近づいている』と投稿すると円売り・ドル買いが先行した。WSJが『米交渉担当者は15日に予定している対中関税第4弾の取りやめと既存の追加関税の引き下げを提案した』と報じると、米中協議の進展期待から一段とドル買いが進行した。NY終盤には『米国は中国との貿易協議で原則合意。トランプ米大統領の署名待ち』との一部報道も伝わり、ドル買いを後押しした。NYダウが一時310ドル超上昇し、日経平均先物が320円上げたことも相場の支援材料となり、109.45円と2日以来の高値を付けた。

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、ラガルド総裁の就任後初の理事会を開き、金融政策の現状維持を決めた。ラガルド総裁が理事会後の記者会見で『景気は安定化の兆しがいくぶん見られ』『リスクは下サイドに傾くが、あまり深刻ではない』との認識を示すと一時1.1154ドルと11月4日以来の高値まで買われる場面があった。市場では『ラガルド総裁のデビュー会合だったが、マーケットは特段大きな反応は示さず、無難に終わった』との声が聞かれた。米大統領のツイートや米中原則合意との報道を受けて、米長期金利が大幅に上昇すると一時1.1103ドルと日通し安値を付ける場面もあったが、株高を背景にユーロ円が上昇するとユーロドルにも買いが入ったため引けにかけて持ち直した。

 

NY原油先物市場は反発:対中制裁関税発動の中止期待から買い優勢

NY原油先物市場は58.75ドル-59.72ドルのレンジ相場となった。トランプ米大統領の『中国との大きな合意に非常に近づいている』との発言や、WSJが『米交渉担当者は15日発動予定の対中制裁関税の中止と3600億ドル相当の中国製品に対し最大50%の関税引き下げを提案』との報道を受けて米中貿易摩擦の激化懸念が後退し、原油は買いが優勢となった。また、石油輸出機構(OPEC)の月報で、2020年の世界原油市場はサウジアラビアの減産でやや供給不足になるとの見方が示されたことも、買いを後押しした。 

 

NY金先物市場は小幅安:米中協議への期待感の高まりから売り優勢

NY金先物市場は1468.20-1491.60ドルのレンジ相場となった。一時1491.60ドルまで買われたが、米国が中国との通商協議で『第1段階』の原則合意に達したと報じられたことや、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は関係筋の情報として、米通商交渉団が15日に発動を予定する対中追加関税の見送りを提案したと報じたことから、金先物は反落した。通常取引終了後の時間外取引で一時1468.20ドルまで売られる場面があった。

 

米国債券市場は大幅反落:米中通商協議で原則合意との報道で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは大幅反落(金利は上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)1.89%で終了した。トランプ米大統領のツイートや米中通商協議で原則合意との報道を受けて、米国株が上昇した。そのため、安全資産とされる米国債には売りが出た。10年債利回りは一時1.9202%前後と11月13日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。

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