FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中協議進展期待から買い優勢

NYダウは109.33ドル高の27875.62、ナスダックは13.67ポイント高の8519.89で取引を終了した。習近平・中国国家主席はこの日、『相互尊重と平等の原則に基づいて米国と第1段階の通商合意をまとめたい』と述べた一方、トランプ米大統領は『中国との合意は非常に近い』などと発言した。両首脳の前向きな発言を受けて、米中協議進展期待が高まると、ボーイングや3Mなど中国関連銘柄中心に買いが優勢となった。一方で、米連邦通信委員会(FCC)が米企業に対して中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)の製品に連邦補助金を使用することを禁じたことから、上値は限られた。VIX指数は13.13から12.34へ低下した。

 

外国為替市場:ドル/円は方向感のない狭いレンジ相場

ドル/円は、ユーロ/円やポンド/円などクロス円の下落につれた売りが 行し一時108.48円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。トランプ米大統領が『中国との合意は非常に近い』『香港と立場を共にするが貿易合意も望む』などと述べたと伝わると、日米株価指数の上昇とともに円売り・ドル買いがじわりと強まった。市場予想を上回る11月米製造業・サービス部門PMI速報値や11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値も相場の支援材料となり、一時108.73円と本日高値を更新した。なお、トランプ氏は『香港人権法案』に署名するかどうかについては明らかにしなかった。 

ユーロ/ドルは、欧州時間に伝わったラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の発言をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行した。NY時間に入り、良好な米経済指標が相次ぐとユーロ安・ドル高がさらに進み、一時1.1015ドルと1週間ぶりの安値を付けた。
 なお、ラガルド総裁は現在の金融緩和策について『景気回復において内需の主たるけん引役を担ってきており、依然として有効』と評価し、大規模緩和の継続に前向きな姿勢を示した。 

 

NY原油先物市場は反落:ドル高を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は58.74ドルから57.50ドルまで下落した。この日発表された米経済指標が軒並み市場予想を上回る結果となり、為替相場でドルが対ユーロなどで上昇し、ドル建ての原油に割高感が生じたことで売りが優勢となった。ただ、終盤は米ベーカー・ヒューズ社が発表した米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比3基減少の671基と5週連続の減少となったことを受けて買い戻しが入る場面もあった。 

 

NY金先物市場は横ばい:ドル高と大統領発言が上値圧迫

NY金先物市場は1478.30ドルから1468.10ドルまで下落した。ドイツやユーロ圏の11月製造業PMIの上昇を受けたユーロ高・ドル安をきっかけに買いが先行したほか、香港問題を背景とした米中関係の悪化や、米中通商協議への警戒も買い材料視された。しかし、良好な米経済指標を受けて為替相場でドル高が進むと、ドル建ての金に割高感が生じ売り戻された。また、トランプ米大統領の『米中通商合意が非常に近い可能性がある』との発言もあり、売りが強まった。

 

米国債券市場は横ばい:売買材料が交錯

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ1.77%で終了した。良好な米経済指標を手掛かりに債券売りが出た半面、米中通商協議を巡る根強い不透明感が相場を下支えした。

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