FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:新味のない講演内容にやや売り優勢

NYダウは前日比と同じ27691.49ドル、ナスダックは21.81ポイント高の8486.09で取引が終了した。トランプ大統領が欧州製自動車に対する追加関税の方針決定を6か月間先送りするとの報道を受け、買いが先行した。トランプ米大統領のNYでの講演を控えてしばらくは小高い水準でのもみ合いが続いていたが、トランプ米大統領の発言が伝わるとやや売りが優勢となった。ただ、引けにかけては押し目買いが入り持ち直した。なお、NYダウが前日終値と全く同じ値で引けるのは5年7カ月ぶり。VIX指数は12.69から12.68へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:ドルは終盤にかけて弱含みの展開

ドル/円は、米国株市場でナスダック総合が史上最高値を更新すると一時109.24円付近まで値を上げる場面もあったが、上値は重かった。NY終盤にかけては弱含む展開だった。トランプ米大統領はニューヨーク・エコノミッククラブでの講演で中国との貿易交渉について『第1段階の合意は署名が間近だ』と強調した一方、『合意できなければ関税を大幅に引き上げる』『25%の関税を全て受け取るのも悪くはない』と述べ、中国側に引き続き圧力をかけた。通商交渉を巡る新情報がなかったことへの失望感から、NYダウが下げに転じるとリスク回避的な円買い・ドル売りが優勢となり一時108.89円と日通し安値を付けた。欧州連合(EU)自動車関税先送りについて言及がなかったことも嫌気された。ただ、前日の安値108.90円が目先サポートとして意識されるとやや下げ渋っている。

 ユーロ/ドルは、欧州市場では11月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことで一時1.1037ドル付近まで買われたものの、前日の高値1.1043ドルをバックに戻りを売りたい向きは多く上値は重かった。ユーロ/ポンドなど一部ユーロクロスの下落につれた売りも出て一時1.1003ドルと10月15日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。なお、ユーロ/スイスフランは一時1.0927スイスフラン、ユーロ/カナダドルは1.4550カナダドルまでユーロ安に振れた。 

 

NY原油先物市場は続落:トランプ大統領の講演内容への失望売り

NY原油先物市場は56.54ドル‐57.55ドルのレンジ相場となった。EUに対する自動車関税延期という憶測が流れていたこともあり、原油価格はNY午前までは堅調に推移していた。しかし、米一部メディアが『トランプ米大統領はEU自動車関税の判断を先送りしない可能性がある』と報じたことや、注目されたトランプ米大統領の講演で通商問題では不透明な発言が多かったこともあり、原油先物は小幅ながら続落して引けた。また、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの主要産油国で構成する『OPECプラス』は減産期限を延長することで合意するとみられているが、減産幅拡大の可能性は低いとの見方が依然として多い。

 

NY金先物市場は続落:ユーロ安・ドル高で売り優勢

NY金先物市場は1446.20-1461.30ドルのレンジ相場となった。ナスダック総合や、S&P500が取引時間中の最高値を更新したこともあり、リスクオンにより金先物価格は弱含んだ。またユーロ/ドルが約1カ月ぶりの水準までドル買い・ユーロ売りが進み、ドル高で取引される金先物価格は割高感からも上値が重く推移した。もっとも、引け間際にはNYダウがマイナス圏に入ると金先物価格も下げ幅を徐々に縮小した。

 

米国債券市場は反発:パウエル米FRB議長の議会証言控え様子見ムード

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.93%で終了した。翌日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言など重要イベントを前に大きな方向感は出なかった。トランプ米大統領のエコノミッククラブでの講演内容については目立った反応は見られなかった。

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