FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中通商協議の進展期待広がりリスクオンの買い

NYダウは182.24ドル高の27674.80、ナスダックは23.89ポイント高の8434.52で取引を終了した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。中国側から『米中両国が協議の進み具合に合わせ、追加関税を段階的に撤廃することに同意した』と伝わったことを受けて、米中が合意に向け歩み寄っているとの観測が高まり買いが広がった。NYダウは一時280ドル超上昇した。ただ、米中協議の『第1段階』合意のために関税を段階的に撤廃することについて『米政権内には強い反対論があり、まだ決定していない』と伝わると、引けにかけて伸び悩んだ。VIX指数は12.62から12.73へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル買い

ドル/円は、中国商務省は日本時間夕刻に『米中両国が協議の進み具合に合わせ、追加関税を段階的に撤廃することに同意した』と発表した。また、『中国税関総署と農務省は米国産家禽の輸入抑制措置撤回を検討』との一部報道もあり、欧州時間から株高と円安が進んだ。NYの取引時間帯に入ると、米政府当局者が「米中協議の『第1段階』合意には段階的な関税撤回が含まれる」との見解を示したと伝わり、米中合意への期待がさらに高まった。米長期金利が一時1.97%台まで急上昇し、現物のNYダウは280ドル超上げて史上最高値を更新した。為替市場では全般ドルを買う動きが広がった。ドル/円はレジスタンスとして意識されていた10月30日の高値109.29円や8月1日の高値109.32円を上抜けて、一時109.49円と5月31日以来の高値まで上値を伸ばした。ただ、引けにかけては伸び悩んだ。米中協議の『第1段階』合意のために関税を段階的に撤廃することについて『米政権内には強い反対論があり、まだ決定していない』との一部報道が伝わると、米国株や米長期金利が上昇幅を縮小した。ドル/円にも売りが出て一時109.16円付近まで下押しした。日経平均先物も280円高から150円高まで上値を切り下げた。

ユーロ/ドルは、ユーロ/円の上昇につれた買いが出て一時1.1092ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.1093ドルの上抜けに失敗すると失速した。米中貿易協議の進展期待を背景に米長期金利が大幅に上昇するとユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.1036ドルと10月16日以来の安値を付けた。

 

NY原油先物市場は反発:米中通商協議の進展期待から買い優勢

NY原油先物市場は56.27-57.88ドルのレンジ相場となった。通商協議を巡り米中の溝が埋まりつつあるなかで、国際通貨基金(IMF)は世界経済成長が上振れる可能性を示唆した。エネルギー需要増への期待感が高まり、WTI12月限は一時57ドル後半まで上昇。ただ、為替相場でドル高が進行したことや、追加関税を段階的に撤廃する合意について米ホワイトハウス内や外部顧問から反対意見が出ていることから、原油先物の上げ幅はやや縮小した。

 

NY金先物市場は大幅に反落:リスクオン地合いが強まり売り優勢

NY金先物市場は1461.40-1493.60ドルのレンジ相場となった。『米中が互いに賦課している関税を段階的撤廃に合意』との中国側の見解を受けて、通商摩擦への警戒感が大きく後退した。リスクオン地合いが強まるなかで、安全資産とされる金は売り優勢となった。米国側もいわゆる第1段階の合意には関税撤廃が含まれることを認めると、金相場は更に下げ幅を拡大した。為替相場でドル高が進んだことも、ドルで取引される金先物の重しとなった。ただし、一部報道によると、追加関税を段階的に撤廃する合意について米ホワイトハウス内や外部の顧問から激しい反対論が出ているもよう。

 

米国債券市場は大幅下落:米中貿易協議進展で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは大幅に下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)1.91%で終了した。米中貿易協議の進展期待を背景に安全資産とされる米国債に売りが膨らんだ。利回りは一時1.9713%前後と8月1日以来の高水準を付けた。 

 

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