FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:利益確定売りに上値の重い展開

NYダウは0.07ドル安の27492.56、ナスダックは24.05ポイント安の8410.63で取引を終了した。前日まで連日で史上最高値を更新していただけに利益確定目的の売りが先行した。『米中首脳会談は日時や開催場所についての議論がまとまらず、当初見込まれた11月から12月に延期される可能性がある』と伝わると、一時80ドル超下げた。ただ、米中協議の合意への期待は根強く、引けにかけて買い戻しが進んだ。VIX指数は13.10から12.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:米中通商協議の合意署名延期報道でドル売り

ドル/円は、しばらくは109.00円を挟んだ狭いレンジ取引が続いていたが、米政府高官の話として『米中の第1段階の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性がある』と伝わると、米国株の失速とともに円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利が1.80%台まで低下したことも相場の重石となり、一時108.82円と日通し安値を付けた。ただ、米国株が引けにかけて下げ幅を縮めるとドル円にも買い戻しが入り109.02円付近まで下げ渋った。対ポンド中心にドル高が進んだ影響も受けた。 

ユーロ/ドルは、欧州市場では10月独・ユーロ圏のサービス部門PMI改定値が予想より強い結果となったことを受けて一時1.1093ドルと日通し高値を付ける場面もあったが、NY市場では弱含んだ。国際通貨基金(IMF)が今年のユーロ圏経済成長率見通しを従来の1.3%から1.2%に下方修正したことなどが嫌気されて、一時1.1065ドルと日通し安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は反落:原油在校の大幅増加を嫌気した売り

NY原油先物市場は56.11ドルー57.85ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間原油在庫の結果(792.9万バレルの積み増し)が重石となり、57ドル後半まで上昇していたWTI12月限は57ドル前半まで売り戻された。その後に一部報道から、『石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国は減産幅を拡大しない方針』が伝わると、ロングの投げが誘発されて原油先物は更に1ドルほど下落幅を広げた。また、『米中の第1段階の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性がある』と報じられたことも売り材料となった

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下が材料視

NY金先物市場は1483.80-1495.90ドルのレンジ相場となった。昨日の大幅安の反動で買い戻しが先行するなか、米中通商交渉の部分合意署名が12月までずれ込む可能性が伝わった。これまで強まっていた米中歩み寄りへの期待感が緩み、安全資産とされる金は上昇した。また、米長期金利が弱含みとなったことも一部で材料視された。もっとも、為替相場でドルが対ユーロで底堅いままであったことで、ドルで取引される金先物の上げ幅は限定された。

 

米国債券市場は反発:米中通商合意署名延期報道で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.83%で終了した。『米中通商合意署名が12月にずれ込む可能性』と伝わると、投資家がリスク回避姿勢を強め安全資産とされる米国債に買いが入った。10年物国債の入札が『好調』だったことも買いを誘った。 

 

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