★米国株式市場は上昇:米FRBの利上げ転換ないことが示唆され買い優勢
NYダウは115.27ドル高の27186.69、ナスダックは27.12ポイント高の8303.98で取引を終了した。朝方は、FOMC(連邦公開市場員会)発表を午後に控えて小動きとなった。米FOMCが予想通りの利下げを決めたほか、パウエル議長が今後の利上げには大幅なインフレ率上昇が必要になるとの認識を示し早期の利上げ転換はないことを示唆したため、発表後に上昇した。その後は引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は13.20から12.33へ低下した。
★NY外国為替市場:FOMC後米長期金利低下でドル売り
ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いた米FOMCで、市場の予想通りFF金利の誘導目標を0.25%引き下げ1.50-1.75%にすると発表した。声明文では『見通しについての不確実性が残る』との文言を残したものの、前回から『景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する』 との文言は削除された。FOMCの結果公表後も108.99円までの上昇にとどまるなど市場の反応は限られていたが、パウエルFRB議長の記者会見が始まると、相場はやや荒い値動きに。FRB議長が『金融政策は良い状況にあると判断』『現行の政策スタンスは適切であり続ける可能性が高い』などの見解を示すと、利下げ打ち止めへの思惑が高まったことで一時109.29円と8月1日以来の高値を更新した。ただ、その後にFRB議長が『利上げの前には著しいインフレ率の上昇が必要』との見解を示したため、早期の利上げ転換もないとの思惑から今度は一転して売りが優勢になった。米長期金利の低下とともに108.68円近辺まで反落した。なお、チリ政府はこの日、反政府デモによる混乱を理由に、11月に予定されていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催を断念すると発表。APECで米中首脳会談が予定されていたこともあって一時リスク回避の動きも見られたが、反応は限定的だった。中国側はAPEC中止を受けて、トランプ米大統領に対して代替地としてマカオでの会談を提案したと伝わったほか、米政府も『チリのAPEC首脳会議がキャンセルになっても、米中合意時期は変わらない』との見解を示した。
ユーロ/ドルは、1.1110ドル台を中心とするもみ合いとなっていたが、ドル円と同様にパウエルFRB議長の会見を受けて上下する展開。ドル買いが強まった場面では一時1.1080ドルまで下落したものの、一巡後は1.1152ドルまで反発した。
★NY原油先物市場は続落:原油在庫の大幅増加を嫌気した売り優勢
NY原油先物市場は54.42ドルー55.73ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)が30日公表した週間在庫統計で原油在庫が570.2万バレルの増加と市場予想を大幅に上回る増加を記録したことが売り材料となった。米金融政策の発表を控えて買いが少なくなっていることも、原油先物の反発を抑える一因となった。
★NY金先物市場は反発:FOMCを控えてポジション調整の売買
NY金先物市場は1483.10-1499.30ドルのレンジ相場となった。米金融政策の決定を控えてポジション調整的な取引が主体となった。通常取引終了後の時間外取引で一時1483.10ドルまで売られる場面があったが、米長期金利の低下やユーロ高を意識して1499.30ドルまで上昇した。
★米国債券市場は上昇:長短金利差の縮小思惑から買い優勢に
米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.77%で終了した。米FOMCは利下げを決めた一方、FOMC声明文やパウエル米FRB議長の会見などでは当面の利下げ停止が示唆された。利下げの停止によって長短金利差が一段と縮小するとの思惑を手掛かりにした買いが長期債に入った。
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