FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米主要企業決算結果に振れる展開

NYダウは28.42ドル安の26805.53、ナスダックは66.00ポイント高の8185.80で取引を終了した。米主要企業の7-9月期決算の発表がピークを迎える中、市場予想に反して減収決算を発表した3Mが大きく売られ、指数の押し下げ要因となった。一方、好決算を発表したダウやマイクロソフトなどは買われ、相場を下支えした。VIX指数は14.06から13.71へ低下した。

 

NY外国為替市場:小幅レンジ内での値動きに終始

ドル/円は、ユーロ円中心にクロス円が下落した影響を受けて円高・ドル安が進行した。NYダウや日経平均先物の失速が相場の重石となり、一時108.50円と日通し安値を付けた。市場では『ペンス米副大統領による対中政策に関する演説に警戒感が広がっている』との指摘があり、リスク回避的な円買い・ドル売りも入った。ペンス米副大統領は演説で『経済、軍事など多くの面で中国の挑発的な行動に改善がみられず、より攻撃的になっている』と述べ、行動の是正を要求した。香港の大規模デモについては『私たちは香港の人々とともにある』と擁護する姿勢を示し、中国政府に人権の尊重を求めた。一方で、『中国の発展を抑えこむつもりはなく建設的な関係を求めている』『トランプ政権は中国からの分離を求めていない』などと語った。市場では『警戒したほど中国に対して強硬な姿勢を示さなかった』として、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。ペンス米副大統領の講演後にNYダウは下げ渋り、日経平均先物は持ち直した。ドル円も108.66円付近まで値を戻す場面があった。 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、政策金利を市場予想通り0.00%に据え置いたほか、中銀預金金利を▲0.50%、限界貸出金利を0.25%に据え置いた。また、ドラギECB総裁は理事会後の記者会見で『異例の緩和から出口は遠のいた』『必要ならあらゆる手段を調整する用意がある』『下振れリスクは顕著でインフレは低い』『経済見通しのリスクは下方向のまま』『緩和の強化は達成したと感じた』などと発言した。当初はユーロ買いが優勢となり一時1.1154ドル付近まで値を上げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.1163ドルがレジスタンスとして働くと失速した。欧州時間に発表された独・ユーロ圏PMI速報値が低調な内容だったことを受けて、欧景気減速懸念を背景としたユーロ売りも優勢になった。前日の安値1.1106ドルを下抜けると一時1.1093ドルまで下げ足を速めた。 

 

NYダウ先物市場は小幅続伸:原油在庫減少と減産拡大への期待継続

NY原油先物市場は55.41ドル-56.51ドルのレンジ相場となった。この日も原油在庫の減少を意識した買いが優勢となった。ユーロ安を意識して上げ幅は縮小したが、石油輸出国機構(OPEC)加盟国、非加盟国による減産拡大への期待は残されており、原油先物は底堅い動きを見せた。上昇の勢いをやや緩めつつも一時56.51ドルと9月27日以来、約4週間ぶりの高値をつけた。 

 

NY金先物市場は続伸:英国のEU離脱を巡る情勢の不透明感

NY金先物市場は1490.40-1506.90ドルのレンジ相場となった。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る情勢の不透明感は払拭されていないことから、安全逃避の買いが観測されており、金先物は節目の1500ドル台を回復した。また、英ジョンソン政権が総選挙実施の意向を示したため、不透明要因の高まりも金を下支えした。

 

米国債券市場は横ばい:買い先行後米国株の持ち直しで失速

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ1.76%で終了した。9月米耐久財受注額が予想を下回ったことで債券買いが先行したものの、米国株が終盤底堅く推移すると失速した。 

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