FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:良好な決算発表の銘柄が下支え

NYダウは23.90ドル高の27025.88、ナスダックは32.67ポイント高の8156.85で取引を終了した。英国とEUがブレグジット案の修正で合意したと伝わると、投資家心理が改善し買いが優勢となった。発表が本格化している7-9月期決算が良好だった銘柄が買われ、相場を下支えした面もある。 VIX指数は13.68から13.79へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:低調な米経済指標受けドルの上値が重い展開

欧州時間に英国と欧州連合(EU)が英国のEU離脱(ブレグジット)を巡る条件を修正することで合意したと伝わると、『合意なき離脱』の回避へ向けた前進としてポンド買いが優勢になった。ただ、英与党に閣外協力する民主統一党(DUP)はブレグジット案を支持しない方針を表明したほか、最大野党・労働党なども反対姿勢を鮮明にしている。議会承認に不透明さが残っている。

ドル/円は、10月米フィリー指数など低調な米指標が相次いだことで円買い・ドル売りが先行した。米長期金利が一時1.72%台まで低下したことも嫌気されて、一時108.42円と日通し安値を付けた。なお、欧州市場ではブレグジット案合意を好感して、NYダウ先物や日経平均先物が上昇したためドル円にも買いが優勢になり一時108.93円と8月1日以来の高値を付ける場面があった。 

ユーロ/ドルは、欧州市場では、ブレグジット案合意を背景にポンドドルが上昇したことにつれて、ユーロ買い・ドル売りが先行し、一時8月26日以来の高値となる1.1140ドルまで値を上げた。ただ、そのあとは1.11ドル台前半でのもみ合いに終始した。

 

NY原油先物市場は続伸:英国の新たなEU離脱案合意などを好感した買い

NY原油先物市場は52.62ドル-54.16ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)発表の週間石油在庫を控え、原油在庫の大幅積み増しが予想されて原油相場は売りが先行した。結果の928.1万バレル積み増しを受けて原油先物は弱含む場面もあったが、一方でガソリン在庫の取り崩しが支えとなった。ブレグジット案が合意に達したことや、トルコがシリア北東部での停戦に合意したことなどのニュースで投資家のリスクセンチメントが改善したことも後押しとなり、リスク資産の原油は強含みで引けた。また、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟主要産油国で構成する『OPECプラス』は2020年以降の石油市場の安定を維持していくとの方針を堅持していることも支援材料となった。

 

NY金先物市場は小幅続伸:新離脱案の英議会通過は微妙な状況

NY金先物市場は1487.00-1501.10ドルのレンジ相場となり一時1500ドル台を回復した。弱い米経済指標(9月米住宅着工件数や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月米鉱工業生産指数など)が相次ぎ、安全資産とされる金は買いが先行した。EUサミットで修正離脱案が承認されたことで過度なリスク警戒感は後退したが、英議会で19日に行われる新離脱案の採決で賛成多数で議会を通過するかどうか予断を許さない状況となっている。また、ドルが対ユーロで軟調となったことがドル建て金先物の下値を支えた。 

 

米国債券市場は反落:好悪材料で売買交錯

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.75%で終了した。英国とEUがブレグジット案の修正で合意したと伝わると、投資家心理が改善し安全資産とされる米国債に売りが出た。半面、この日発表の米経済指標が弱い内容だったことが分かると買いが入ったため、下値は限定的だった。 

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