FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中閣僚級協議報道に振れる展開

NYダウは181.97ドル高の26346.01、ナスダックは79.96歩陰tの高の7903.74で取引を終了した。10日から始まる米中閣僚級協議を前に、中国が『部分合意』に前向きと伝わると、協議進展への期待が高まった。キャタピラーなど中国関連銘柄中心に買いが入り、指数は一時260ドル超上昇した。『中国は米中貿易摩擦の解消に向けて、米農産物の年間購入を拡大することを提案する』との報道も好感された。ただ、取引終了間際に『米政権が中国企業をブラックリストに掲載すると表明したことを受けて、中国政府は交渉進展の期待を弱めている』との報道が伝わると上げ幅を縮めた。VIX指数は20.28から18.64へ低下した。

 

NY外国為替市場:米中対立への懸念が和らぎドル買い先行

ドル/円は、米中対立への懸念が和らぐとの見方が広がり円売り・ドル買いが先行した。NYダウが一時260ドル超上昇し、日経平均先物が170円上げたことも相場の支援材料となった。前日の高値107.44円や7日の高値107.46円を上抜けて一時107.63円まで上値を伸ばした。ただ、『米政権がウイグル族人権侵害で中国の28法人をブラックリストに掲載すると表明したことを受けて、中国政府は交渉進展の期待を弱めている』との一部報道が伝わると株価の伸び悩みとともに円買い・ドル売りが入り107.39円付近まで下押しした。なお、9月17日-18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では『多くのメンバーはインフレが9月利下げを正当化すると認識』『緩和政策の終了期について議論した』ことなどが明らかになった。 

ユーロ/ドルは、欧州市場では、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が『ECBはさらなる緩和余地を有しているが、現在の金利水準は適切』との見解を示したことで、早期利下げ観測が後退し一時1.0990ドルまで買われる場面があった。ただ、そのあとは前日の高値1.0996ドルや7日の高値1.1001ドルがレジスタンスとして意識されてじり安の展開に。米長期金利が一時1.59%台まで上昇したことも相場の重しとなり、一時1.0968ドル付近まで下押しした。 

 

NY原油先物市場は小幅安:原油在庫を嫌気して伸び悩む

NY原油先物市場は52.31ドル-53.74ドルのレンジ相場となった。米中通商協議の進展期待や中東の地政学リスクを背景に買いが先行したが、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫の結果も手がかりに買いが失速した。原油在庫は292.7万バレルの積み増しと予想以上の増加し、4週連続の積み増しとなった。 一方、米中協議進展への期待が再び広がったことや、米国株高を意識して原油先物は下げ渋った。ただ、通常取引終了後の時間外取引では米長期金利の上昇を嫌って反落した。

 

NY金先物市場は小幅高:ユーロ高と英国の合意なき離脱懸念から買い優勢

NY金先物市場は1505.10-1518.00ドルのレンジ相場となった。10日に行なわれる米中閣僚級協議で何らかの進展があることが改めて期待されたことから、安全逃避の金買いは一巡した。しかし、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁の発言を背景にドル安・ユーロ高となり、金は買いが優勢となったほか、英国が欧州連合(EU)からの合意なき離脱に対する警戒感が高まっており、金先物の押し目買いも観測された。

 

米国債券市場は反落:米中協議進展期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.58%で終了した。10日から始まる米中閣僚級協議を前に、協議進展の期待が強まると株高と債券安が進んだ。10年債入札が『低調』と受け止められたことも相場の重石となった。

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ