FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易協議への警戒感強い

NYダウは95.70ドル安の26478.02、ナスダックは26.18ポイント安の7956.29で取引を終了した。週明け早朝に『中国当局者はトランプ米大統領が求める幅広い通商協定で合意することに一段と消極的な姿勢を示している』と伝わり、売りが先行し、一時150ドル近く下落した。『中国商務省は米国と一部合意する準備がある』『来年にかけてより困難な問題を解決するためのタイムスケジュールを準備する用意がある』との一部報道をきっかけに、指数はプラス圏に浮上する場面もあったが、米中貿易協議への警戒感は強く戻りは一時的だった。引けにかけては再び売りに押されている。VIX指数は17.04から17.86へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中貿易協議への警戒感強くドル伸び悩む

ドル/円は、アジア市場では『中国当局者はトランプ米大統領が求める幅広い通商協定で合意することに一段と消極的な姿勢を示している』と伝わり、週明け早朝取引で一時106.57円まで売り込まれる場面があった。ただ、NYの取引時間帯では底堅く推移した。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が米FOXニュースのインタビューで『米中通商協議は進展する可能性がある』『中国企業の上場廃止は検討していない』などと発言し、米中協議進展期待が高まった。さらに『中国は来年にかけてより困難な問題を解決するためのタイムスケジュールを準備する用意がある』と伝わり、米国株の持ち直しとともに円売り・ドル買いが活発化した。前週末の高値107.13円や3日の高値107.30円を上抜けて一時107.46円まで上値を伸ばした。もっとも、米中貿易協議への警戒感は強く米国株が再び下げに転じると、ドル円も107円台前半で伸び悩んだ。
 なお、日米両政府の代表者は7日、ワシントンで日米貿易協定に正式に署名した。その際、トランプ米大統領は『中国との貿易協定の合意の可能性ある』『中国との部分的な貿易合意は私たちが望むものではない』などと述べた。また、米政府は中国の監視カメラ大手ハイクビジョンを含む中国企業8社をブラックリストに加えた。市場では『貿易協議にも影響する可能性がある』との指摘があった。

ユーロ/ドルは、上値の目処として意識されていた3日の高値1.0999ドルを上抜けて一時1.1001ドルと9月25日以来の高値を付ける場面もあったが、1.10ドル台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。米長期金利が1.56%台まで上昇したことも相場の重しとなり、1.0969ドル付近まで押し戻されている。

 

NY原油先物市場は小反落:ユーロが弱含んだことや原油在庫への懸念

NY原油先物市場は52.59ドルー54.06ドルのレンジ相場となった。先週末の雇用市場の拡大は続いていることや、米中協議進展への期待で原油先物は一時54ドル台を回復した。また、この日もイラクの供給懸念などを背景に買いが先行した。ただ、後半は為替市場でユーロ/ドルが失速したことや、原油在庫増への懸念で、上げ幅を吐き出して取引を終えた。

 

NY金先物市場は小幅続落:米中通商協議への期待感高まり売り優勢

NY金先物市場は1493.30-1518.80ドルのレンジ相場となった。中国は米国と一部で合意の準備があり、来年にかけてより多くの課題に取り組む用意があるとの報道を受けて、米中通商協議への期待感が高まり、リスク回避資産の金が売られた。通常取引終了後の時間外取引で金先物は1500ドルを下回った。

 

米国債券市場は下落:持ち高調整の売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.56%で終了した。今週予定されている米中貿易協議や米物価指標の発表、国債入札など重要イベントを控えて持ち高調整目的の売りが出た。

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