FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米景気後退懸念を嫌気

NYダウは494.42ドル安の26078.62、ナスダックは123.44ポイント安の7785.25で取引を終了した。前日に発表された9月米ISM製造業景気指数が低調な内容だったうえ、本日発表の9月ADP全米雇用報告が予想を若干下回ったため、米景気後退への懸念が高まった。景気敏感株を中心に幅広い銘柄に売りが出て、指数は一時600ドル近く下落した。 VIX指数は18.56から20.56へ上昇した。

 

東京外国為替市場:世界景気の減速懸念からリスク回避の円買い

ドル/円は、前日に発表された9月米ISM製造業景気指数が低調な内容だったことで、世界景気の減速懸念が高まりリスク回避の動きが継続した。この日発表の9月ADP全米雇用報告が予想を若干下回り、前月分が下方修正されたこともドル売りを誘った。米長期金利が1.57%台まで低下したタイミングで一時107.05円と日通し安値を更新した。NYダウが一時600ドル近く急落したほか、日経平均先物が大証終値比430円安の2万1280円まで下げたことなども嫌気された。なお、世界貿易機関(WTO)はこの日、欧州連合(EU)が欧州航空機大手エアバスに違法な補助金を拠出していたとして、米国による年間最大75億ドル相当のEU製品に対する報復関税を容認した。裁定金額はWTO史上最高額となった。米国は18日にも発動する方針を表明した一方、EUも対抗措置を取る方針を示している。米航空機大手ボーイングへの補助金に対しても同様の裁定が見込まれており、市場では『米欧間の貿易摩擦が激化する恐れが強まる』との指摘があった。 

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.0904ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に強含んだ。この日の欧州長期金利は欧州株安にもかかわらず上昇した半面、米長期金利は低下した。欧米金利差の縮小を意識したユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.0964ドルと日通し高値を付けた。なお、リスク・オフの恩恵を受ける国債が売られたことについて、市場では『ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がさらなる財政刺激策が必要と訴え、ECBの金融緩和策が現状にとどまるという懸念が出ていることが一つの要因だ』との指摘があった。 

 

NY原油先物市場は続落:原油在庫増加や米国株安を嫌気した売り

NY原油先物市場は52.17ドル‐4.42ドルのレンジ相場となった。欧州時間は堅調に推移していた原油先物価格だったが、この日発表された9月ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数が前月比+13.5万人にとどまり、4日に発表される9月米雇用統計はさえない内容となる可能性があることが売り材料となった。また、米国株式市場が下げ幅を拡大し始めたことでマイナス圏に入った。その後、米エネルギー省が発表した週間在庫統計で、原油在庫が予想以上に増加したことで原油先物は下げ幅を拡大し7営業日続けて下落した。 

 

NY金先物市場は続伸:リスク回避の高まりから買い優勢

NY金先物市場は1480.50-1511.40ドルのレンジ相場となった。昨日の9月の米ISM製造業景気指数に続き、ADP全米雇用報告が市場予想を下回ったことをきっかけに欧米株式市場が大幅に下落し、米長期金利も低下たことで、市場はリスク回避の動きとなった。金先物価格は逃避先として買われ続伸した。また、10月のFOMCで追加利下げを想定した買いも入った。

 

米国債券市場は続伸:米景気減速による追加利下げ観測から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.60%で終了した。米景気の先行き不透明感から、年内の追加利下げ観測が強まり債券買いを誘った。米国株が大幅に下落したことも相場の支援材料となった。

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