FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易協議進展期待から買い優勢

NYダウは96.58ドル高の26916.83、ナスダックは59.71ポイント高の7999.34で取引を終了した。『米国市場に上場している中国企業の上場廃止を米政権が検討している』との先週の報道を米財務省広報官が否定したほか、ナバロ米大統領補佐官(通商担当)も『報道の内容の半分以上がフェイクニュース(虚偽)』と指摘した。投資家心理が改善し、買いが膨らんだ。指数は一時170ドル超上昇する場面があった。中国政府高官が閣僚級貿易協議の具体的な日程に言及し、協議進展への期待が強まったことも買い安心感につながった。VIX指数は17.22から16.24へ低下した。

 

NY外国為替市場:米中貿易協議進展期待からリスク選好のドル買い

ドル/円は、欧州市場序盤に一時107.74円と日通し安値を付けたあとはじり高の展開だった。前週末の安値107.66円が目先サポートとして意識されたほか、対ユーロ中心にドル高が進んだ影響を受けた。米国株相場や日経平均先物が底堅く推移すると投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが優勢となった。9月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が47.1と予想の50.2を下回ったことが分かると一時107.93円付近まで下げたが、下押しは限定的で一時108.18円と前週末の高値に面合わせした。なお、『米国市場に上場している中国企業の上場廃止を米政権が検討している』との先週の報道を米財務省広報官は否定。ナバロ米大統領補佐官(通商担当)も『報道の内容の半分以上がフェイクニュース(虚偽)』と指摘した。中国政府高官が閣僚級貿易協議の具体的な日程に言及し、協議進展への期待が強まったことも投資家心理の改善につながり、NYダウは一時170ドル超上昇する場面があった。

ユーロ/ドルは、ユーロ圏経済への懸念が広がる中、9月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を下回るとユーロ売り・ドル買いが先行した。まとまった規模のオプションが観測されていた1.0900ドルを下抜けると、一時1.0885ドルと2017年5月以来の安値を更新した。米シカゴPMIが予想を下回ったことを受けて一時1.0914ドル付近まで下げ幅を縮める場面もあったが戻りは鈍かった。買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:サウジアラビアの生産能力回復とドル高を嫌気

NY原油先物市場は53.98ドル‐56.57ドルのレンジ相場となった。ユーロドルが2017年5月以来となるドル高・ユーロ安になったことをはじめ、ドルが底堅い動きだったことで、ドル建てで取引される原油先物価格は割高感から弱含んで推移した。また先週報道されたサウジアラビアとイエメンの部分停戦や、攻撃されたサウジアラビアの石油施設が順調に回復していることなども原油価格の上値を抑えた。 

 

NY金先物市場は続落:米政権は対中投資制限を巡る一部報道を否定

NY金先物市場は1470.50-1507.20ドルのレンジ相場となった。ユーロドルが2017年5月以来となるドル高・ユーロ安になったことをはじめ、ドルが底堅い動きだったことで、金先物価格は弱含んで推移した。また『米国市場に上場している中国企業の上場廃止を米政権が検討している』との先週の報道を米財務省広報官が否定したことで、リスクオンになったことも金価格にとって重石となった。1485ドル以下でストップロスの売りが執行されたとの見方もあった。

 

米国債券市場は続伸:不調な米経済指標を受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.66%で終了した。米中対立への過度な懸念が後退し、米国株が上昇すると安全資産とされる米国債に売りが先行した。ただ、9月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が予想を下回り、景況感の節目となる50を割り込んだことが分かると徐々に債券買いが優勢となり上げに転じた。

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