FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中通商協議の進展期待後退で売り優勢

NYダウ159.72ドル安の26935.07、ナスダックは65.21ポイント安の8117.67で取引を終了した。トランプ政権が昨年に中国製品に課した関税のうち400種類以上の製品について一時的に免除する方針を計画しているほか、トランプ大統領が中国との通商交渉での進展を示唆し、買いが先行し、しばらくは小高く推移していた。しかし、『米中次官級協議で訪米している中国代表団が来週予定されている米農家の視察を中止し帰国する』との報道を受けて、米中通商協議の進展期待が後退すると下げに転じた。ボーイングやホーム・デポ、アップルなどが売られ指数の重しとなった。 VIX指数は14.05から15.32へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中通商協議の進展期待後退でリスク回避の円買い

ドル/円は、米国株相場が上昇して始まると円売り・ドル買いが先行し一時108.02円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値108.09円を上抜けることは出来なかった。『米中両国は19日から事務レベルでの協議を再開したが、米国を訪れている中国代表団は米モンタナ州の農家視察をキャンセルし、予定を早めて帰国する』との報道が伝わると、米中通商協議が進むとの期待が後退した。小高く推移していたNYダウが160ドル超下落し、日経平均先物も下げに転じたためリスク回避目的の円買い・ドル売りが優勢となった。米10年債利回りが一時1.71%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時107.49円近辺と日通し安値を付けた。
 この報道の前には、トランプ米大統領が訪米中のモリソン豪首相との共同記者会見で中国との通商協議について『米国は完全な形での合意を求めている』『中国の米国産農産物購入は合意成立には不十分』『大統領選前に中国と合意する必要はない』などと述べていた。 

ユーロ/ドルは、メルケル独首相が『ドイツは均衡予算を堅持する』などと述べると、ユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.0996ドルと日通し安値を付けた。なお、市場関係者の間では『独政府が均衡予算の方針を変更し、財政拡張策を講じた場合はユーロ買い材料になる』と予想されており、『均衡予算を堅持する』とした発言はユーロ売り材料となった。ただ、引けにかけては下げ渋った。米中通商協議の進展期待が後退し米株安と米金利低下が進むとユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.1022ドル付近まで下値を切り上げた。 

 

NY原油先物市場は横ばい:リスク回避から上値を圧迫

NY原油先物市場は、売買の手がかりが拮抗し、連日ほぼ横ばいで取引を終えた。トランプ米政権が新たにイラン中央銀行に対する制裁措置を発表し、中東の地政学リスクへの懸念が相場の下支えとなった一方で、『中国代表団が来週予定の米農家視察をキャンセルした』との報道を受けて米中通商協議への懸念が高まり、投資家のリスクオフ姿勢が原油の上値を圧迫した。 米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比14基減少の719基となり、5週連続減少した。

 

NY金先物市場は反発:米中通商協議の進展期待の後退で買い優勢

NY金先物市場は1505.30-1524.50ドルのレンジ相場となった。次官級の米中協議で訪米している中国代表団が来週予定されている米農家の視察を中止したとの報道を受けて、米中通商協議の進展期待が後退し、安全資産の金が買われた。北米市場では株安を意識した買いが入ったことで、通常取引終了後の時間外取引で1524.50ドルまで買われた。

 

米国債券市場は続伸:米中通商協議の先行き不透明感から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債金利は前営業日比0.06%低い(価格は上昇)1.72%で終了した。米中通商協議の先行き不透明感が強まり、安全資産とされる米国債に買いが集まった。10年債利回りは一時1.7146%前後まで低下した。 

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