FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中通商交渉の進展期待で買い優勢

NYダウは227.61ドル高の27137.04、ナスダックは85.52ポイント高の8169.68で取引を終了した。翌日の欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策発表を見極めたいとの思惑もあり、寄り付き後は小動きだった。中国政府が本日、来月予定されている通商協議を前に、米国製品16品目を追加関税の対象から除外すると発表した。一方、トランプ米大統領は『中国がいくらか動きを見せた。大きな動きだ』と評価した。米中対立の懸念後退で買いが優勢となり、引けにかけて上げ幅を広げた。アップルやボーイングがいずれも3%超上昇するなど、個別に材料の出た銘柄に買いが集まった。VIX指数は15.20から14.61へ低下した。

 

NY外国為替市場:金融イベントを控えて全般様子見ムード強い

ドル/円は、米中対立の懸念後退でダウ平均が227ドル上昇し約1カ月半ぶりの高値を付けたことなどが相場の支援材料となり、取引終了間際に一時107.86円と日通し高値を付けた。もっとも、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。明日のECB定例理事会や来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会合など各国の金融イベントを前に大きな方向感は出なかった。

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)が明日の定例理事会で追加緩和を実施するとの観測から、ユーロは主要通貨に対して売られ、一時1.0985ドルと日通し安値を付けた。なお、明日のECB理事会では、中銀預金金利の0.10%引き下げ、マイナス金利がかかる対象を中銀預金の一部だけにとどめる負担軽減策の導入、フォワード・ガイダンスの強化などが予想されている。市場関係者からは『明日の理事会で大規模緩和が打ち出されるかどうかは定かではない。理事会後にユーロが値を戻す可能性もある』との声も聞かれた。 

 

NY原油先物市場は続落:中東の地政学リスク後退で売り優勢

NY原油先物市場は55.61ドル-58.30ドルのレンジ相場となった。トランプ米大統領がイランに対する制裁緩和を検討しているとの一部報道が、原油売りを強めた。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油在庫は691.2万バレルの取り崩しと、予想以上に減少したが、前日に石油輸出国機構(OPEC)が2019・20年の世界石油需要の見通しを下方修正したこともあり、原油在庫減への反応は限られた。また、主要通貨に対するドル高が信仰したことも嫌気された。

 

NY金先物市場は小幅高:先行観根強く押し目買い優勢

NY金先物市場は1492.90-1506.20ドルのレンジ相場となった。足もとでは米中通商協議への期待で投資家のリスクオフムードが後退しているが、金の先高観は根強く、昨日に約1カ月ぶりに心理的節目の1500ドルを割り込んだこともあって、押し目買いが優勢となった。トランプ米大統領はツイッターへの投稿で、米金融当局(連邦準備制度理事会/FRB)に対して政策金利を0%以下に引き下げるべきとの意見を述べたことや、欧州中央銀行(ECB)による大規模な金融緩和への思惑は消えていないことから、底堅い展開となった。

 

米国債券市場は続落:リスク選好の動き継続で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.74%で終了した。米中貿易交渉の進展期待を背景に米国株が上昇すると、安全資産とされる米国債に売りが出た。ただ、明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて様子見ムードも強く、下値は限られた。

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