FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米中貿易協議の進展期待が相場をけん引

NYダウは69.31ドル高の26797.46、ナスダックは13.75ポイント安の8103.07で取引を終了した。8月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を下振れたものの、平均時給の伸びが加速したため、寄り付き後から揉み合う展開となった。ただ、米中貿易協議が進展するとの期待が引き続き買いを促したほか、中国人民銀行が預金準備率(RRR)を引き下げたことが好感された。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『景気拡大を維持するため、適切に行動する』と再表明したことも相場の支援材料となり、一時130ドル超上げた。 VIX指数は16.27から15.00へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円はほぼ行って来いの相場展開

ドル/円は、米労働省が発表した8月米雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比13万人増と予想の前月比15万8000人増を下回ったことが分かると円買い・ドル売りが先行した。同時に発表された平均時給は前月比/前年比ともに予想を上回ったものの、一時106.62円と日通し安値を付けた。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がスイス・チューリッヒでの討論会で『景気見通しに著しいリスクがある』『FRBは景気拡大を維持するため適切に行動する』としながらも『米経済は良い状態にあり、インフレも目標の2%に戻っていくだろう』『リセッションは予想しない』などと述べると全般ドル買いで反応し、一時106.94円付近まで持ち直した。市場では『追加利下げの可能性を示唆したものの、17-18日のFOMCで利下げを決断するかは明言を避けた』との声が聞かれた。

ユーロ/ドルは、来週12日の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げをはじめとした緩和策への期待が根強い中、一時1.1020ドルと日通し安値を付けたが、前日の安値1.1017ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢になった。8月米雇用者数が予想を下回ったことが分かるとユーロ買い・ドル売りが強まり一時1.1057ドルと日通し高値を更新した。もっとも、パウエルFRB議長の発言後にドル買い戻しが進むと1.1025ドル付近まで押し戻された。なお、ユーロドルは今日一日を通じて方向感に乏しい展開だった。値幅も0.0037ドル程度と小さい。 

 

NY原油先物市場は続伸:米リグ稼動数減少で供給ひっ迫懸念で買い優勢

8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想から下振れし、エネルギー需要への懸念の高まりに原油先物は売りが強まった。しかしながら株式市場が底堅い動きとなったことや、全米の石油掘削装置の稼働が21カ月ぶりの低水準となったため、供給ひっ迫懸念を受けた買いが優勢となった。利益確定の売りに押される場面もあったが、56ドル半ばでは下げ渋った。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比4基減少の738基となった。

 

NY金先物市場は続落:リスク回避の動きが後退し売り優勢

NY金先物市場は1510.70-1536.20ドルのレンジ相場となった。中国の金融緩和による景気下支え策や米中対立の緩和期待などで安全資産の金は売りが先行した。しかし、8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったことが分かると、金先物にも買い戻しが入り、一時は前日比で約10ドル高まで反発した。もっともその後、為替相場でドルが対欧州通貨で強含むと、ドル建ての金先物は割高感から売りが出やすくなり、週末を控えてのポジション調整も重石に軟調なまま引けた。 

 

米国債券市場は横ばい:週末のポジション調整売りで値を消す

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ1.56%で終了した。8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ると債券買いが先行したものの、週末を控えたポジション調整目的の売りが出ると値を消した。

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