FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易摩擦緩和への期待から買い優勢

NYダウは372.68ドル高の26728.15、ナスダックは139.95ポイント高の8116.83で取引を終了した。米中両政府の閣僚が5日に電話協議し、10月上旬の貿易協議開催で合意したと伝わった。米中貿易摩擦緩和への期待が広がると、中国市場に依存度の比較的高い銘柄を中心に買いが集まり一時480ドル超上げた。この日発表された8月ADP雇用統計が予想を上振れたほか、米長期金利も上昇し、投資家心理の改善から終日上昇となった。VIX指数は17.33から16.27へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好の円売り・ドル買い優勢

ドル/円は、米中両国が閣僚級の貿易協議を10月初めにワシントンで開催することで合意したと伝わると、米中貿易摩擦が和らぐとの期待が広がり、世界的に株価が上昇した。投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが優勢となった。また、8月ADP全米雇用報告では非農業部門雇用者数が前月比19万5000人増と予想の14万9000人程度増を上回ったほか、8月米ISM非製造業指数は56.4と予想の54.0より強い内容となった。米景気の先行きに対する懸念が後退すると、米長期金利が1.5891%前後まで上昇し全般ドル買いを促した。ドル円は一時107.23円と8月2日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。ただ、107円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。

ユーロ/ドルは、ユーロ/円の上昇につれたユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1085ドルと日通し高値を付けたものの、良好な米経済指標が相次ぎ、米長期金利が大幅に上昇すると一転ドル買いが優勢となった。来週12日の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げをはじめとした緩和策への期待も根強く、一時1.1032ドル付近まで押し戻された。市場では『一目均衡表基準線が位置する1.1088ドルや21日移動平均線1.1093ドル付近が目先上値の目処として意識される』との指摘もあった。

 

NY原油先物市場は小幅に続伸:利益確定売りが上値の重石

NY原油先物市場は55.75ドル-57.76ドルのレンジ相場となった。米中が通商協議の再開で合意との報道を受けてリスク選好地合いが強まり、リスク資産の原油の支持となった。為替相場でドルが欧州通貨に対して軟調となり、ドル建ての原油先物は時間外から強含みとなった。米エネルギー省による週間在庫統計の発表後に上昇力が高まり(原油在庫は477.1万バレルの取り崩し)となり、一時57.76ドル台と1カ月以上ぶりの高値を更新した。もっともその後、ドルがユーロに対して買い戻されると原油相場も利益確定売りに動き、上昇幅を縮小して終えた。 

 

NY金先物市場は大幅反落:米中協議再開と米長期上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1514.30-1561.90ドルのレンジ相場となった。米中閣僚級の通商協議がワシントンにて10月初めに開催と伝わり、経済大国同士の対立緩和が期待されてリスク選好の動きが強まった。好調な米経済指標もリスクセンチメントの改善につながり、安全資産の金には売りが集まった。米長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りも観測され、一時1514ドル台と約2週間ぶりの安値まで下落し、その後の戻りも限定的だった。

 

米国債券市場は大幅に続落:リスク選好の動き強まり売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)1.56%で終了した。米中貿易交渉の進展期待を背景に安全資産とされる米国債に売りが出たほか、良好な米経済指標が相次いだことが相場の重石となった。 

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