FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:リスク選好材料が重なり買い優勢

NYダウは237.45ドル高の26355.47、ナスダックは102.72ポイント高の7976.88で取引を終了した。中国人民銀行が近く預金準備率の引き下げを実施すると報じられたことや、香港政府が『逃亡犯条例』改正案を撤回し、大規模デモが収束に向かうとの期待が広がった。さらに、英国の欧州連合(EU)からの『合意なき離脱』が避けられるとの観測が出て買いを促した。米債券市場で米10年債利回りが2年債利回りを下回る『長短金利の逆転現象(逆イールド)』がひとまず解消したことも投資家心理の改善につながった。 VIX指数は19.66から17.33へ大幅低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好の動きからドル売り・円売り優勢

ドル/円は、香港政府はこの日、『逃亡犯条例』改正案を撤回すると正式に表明した。また、イタリアでは左派『五つ星運動』と中道左派『民主党』などによる連立政権が発足したほか、英国では下院で欧州連合(EU)からの『合意なき離脱』を阻止する離脱延期法案が可決した。英伊の政局リスク後退や香港情勢の好転で投資家心理が改善し、円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。前日の高値106.39円や2日の高値106.40円を上抜けて一時106.44円まで値を上げた。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は『先行きを注視し、適切に行動する用意がある』と述べた一方、『今のところ米経済は良好な状態にある』との認識を示したが、相場の反応は限られた。 

ユーロ/ドルは、英伊の政局リスク後退や香港情勢の好転で投資家心理が改善し、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。対カナダドル中心に米ドル売りが進んだ影響も受けて、一時1.1038ドルと日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は大幅反発:ドル安で買い戻し強まる

NY原油先物市場は、先週高値から昨日の安値までの下落幅は7%弱となり、その反動で時間外から底堅く推移した。為替相場でドルがユーロに対して弱含んだことも、ドル建ての原油先物にとっては支持要因となった。香港情勢の好転やイタリア政局リスクの後退、英議会による『合意なきブレグジット阻止』の動きなどでリスク回避ムードが後退。リスク資産の原油には買いが強まり、目立った戻り売りもなく一時56ドル半ばまで上昇した。 

 

NY金先物市場は小幅高:ドル安や米国金利見通しを巡る思惑で買い優勢

NY金先物市場は1542.60-1566.20ドルのレンジ相場となった。香港では、大規模な抗議運動のきっかけとなった『逃亡犯条例』改正案が撤回された。情勢の沈静化期待でリスク回避ムードが後退し、安全資産の金は売りが先行。もっとも、為替相場でドルが欧州通貨に対して軟調になると、ドル建ての金先物は割安感から買い戻しの動きとなった。米金利が再び低下傾向となったことも金利が付かない金の支えとなり、買い優勢のまま引けた。さらに、グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「米国にもマイナス金利が及ぶのは時間の問題」との見方を示したことから、米国株式の反発にもかかわらず、安全逃避の買いが入った。

 

米国債券市場は反落:英伊の政局リスク後退と香港情勢改善で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.46%で終了した。英国とイタリアの政局リスク後退や香港情勢の好転が安全資産とされる米国債の売りを誘った。半面、米利下げ観測の高まりを背景に債券を買う動きも見られたため、下値は堅かった。 

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