FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:8月米ISM製造業景気指数が50割れで売り優勢

NYダウは285.26ドル安の26118.02、ナスダックは88.72ポイント安の787.16で取引を終了した。8月米ISM製造業景気指数が49.1と予想より弱い内容となり、好況・不況の判断の分かれ目となる基準値の50を下回ったため、投資家心理が悪化し売りが広がった。米中貿易摩擦の激化・長期化懸念や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感も強く、ダウ平均は一時420ドル超下げた。 VIX指数は18.98から19.66へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢

ユーロ/ドルは、欧州市場では一時1.0926ドルと2017年5月以来約2年4カ月ぶりの安値を付けたものの、NYの取引時間帯に入ると買い戻しが優勢となった。8月米ISM製造業景気指数が49.1と予想の51.1より弱い内容となり、好況・不況の判断の分かれ目となる基準値の50を下回ったため全般ドル売りが先行した。米長期金利が一時1.4272%前後と16年7月以来の低水準を付けたこともユーロ買い・ドル売りを促し一時1.0979ドルまで値を上げた。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのミュラー・エストニア中銀総裁が『債券買い入れ再開の強い論拠ない』と述べたことも意識された。ただ、ECBが金融緩和姿勢を強めるとの見方は根強く、買い戻しが一巡すると伸び悩んだ。一部通信社は関係者の話として『ECBは12日に開く定例理事会で、利下げや金利の階層化、フォワードガイダンス強化など包括的な刺激策を決定する方向に傾いている』など報じた。 

 

ドル/円は、一時106.31円付近まで買われる場面もあったが、8月米ISM製造業景気指数が低調な内容だったことが明らかになると円買い・ドル売りが優勢になった。NYダウが420ドル超下落し、米長期金利が低下幅を拡大したことも相場の重しとなり、一時105.74円と日通し安値を付けた。もっとも、米10年債利回りが1.47%台まで低下幅を縮めるとドル円にも買い戻しが入り106円台を回復する場面があった。 

 

NY原油先物市場は続落:増産報道を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は52.84ドル-55.24ドルのレンジ相場となった。8月産油量についての報道で『石油輸出国機構(OPEC)加盟国は前月から増加や、ロシアが協調減産の公約水準を上回った』などが原油相場の重石となった。米中貿易摩擦の激化懸念や弱い米経済指標を受けてリスク回避地合いが強まり、リスク資産の原油も軟調になった。また、米国株式の下落が嫌気された。さらに、通商問題などを巡って米中の対立が続いていることは原油先物の反発を抑える一因となっている。

 

NY金先物市場は反発:リスク回避の金買い優勢

NY金先物市場は1528.00-1558.90ドルのレンジ相場となった。米中の制裁関税合戦が継続され、通商交渉も難航する様相が高まり、安全資産の金は底堅く推移した。8月米ISM製造業景気指数が2016年1月以来の水準まで低下したことが明らかになるとリスクオフ地合いが一気に強まり、金先物には買いが集まった。また、米国株式の大幅下落を受けてリスク回避の買いが活発となった。

 

米国債券市場は上昇:米国景気鈍化懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.45%で終了した。8月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったことで安全資産とされる米国債に買いが集まった。米国株相場の下落も相場の支援材料となり、利回りは一時1.4272%前後と2016年7月以来の低水準を付ける場面があった。 

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