FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:利益確定売りや持ち高調整で上値重い展開

NYダウは41.03ドル高の26403.28、ナスダックは10.51ポイント安の7962.88で取引を終了した。米中の貿易協議進展を期待した買いがやや優勢となった。ただ、9月1日に米中両国による追加関税措置の実施を控えるほか、3連休を前に利益確定や持ち高調整の売りが出たため、NYダウは下げる場面もあった。VIX指数は17.88から18.98へ上昇した。

 

NY外国為替市場:月末絡みで一時ユーロ失速

ユーロ/ドルは、ユーロ圏景気の減速懸念などを背景に欧州中央銀行(ECB)が緩和策を強化するとの見方が強まる中、月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが観測されたことをきっかけにユーロ全面安の展開となった。バリアオプションが観測されていた1.1000ドルを下抜けてストップロスを断続的に巻き込むと、一時1.0963ドルと2017年5月以来約2年3カ月ぶりの安値を更新した。なお、トランプ米大統領はツイッターで『ユーロがドルに対して狂ったように下落しているが、FRBは何も対応していない』と述べ、FRBを再批判したが反応は限定的だった。 

ドル/円は、NY市場に限れば106円台前半でのもみ合いの展開に終始した。米長期金利が上昇幅を縮めたことなどをながめ円買い・ドル売りが先行した。8月米消費者態度指数確報値が89.8と予想の92.1を下回ったことも相場の重しとなり、一時106.11円と日通し安値を付けた。ただ、対ユーロ中心にドル買いが強まると円に対してもドル高が進行し、一時106.43円付近まで値を戻した。もっとも、引けにかけては106.20円付近まで押し戻されている。

 

NY原油先物市場は反落:ドル高で割高感から売り優勢

NY原油先物市場は4日ぶりに反落した。為替市場でドル高・ユーロ安が大きく進み、ドル建ての原油に割高感が生じたことで、売りが優勢となった。また、勢力を増しながら米国のフロリダ州に接近しているハリケーン『ドリアン』はエネルギー市場にとっては需要より供給に悪影響が見られるとの見方も、原油の売りを後押しした。 米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比から12基減少し742基となった。

 

NY金先物市場は続落:連休前のポジション調整の動き

NY金先物市場は1525.60-1541.90ドルのレンジ相場となった。この日発表された7月のPCEコア価格指数は前年比+1.6%で市場予想と一致したが、同月の個人所得は市場予想を下回る伸びにとどまった。また、8月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は89.8に下方修正された。30日に発表された経済指標はまちまちの内容となった。利食い目的とみられる売りが入った。9月2日に米国市場は休場となることから、この日の取引ではポジション調整的な売買が多かった。為替市場でユーロ安・ドル高が急速に進んだことも、金の割高感から売られる展開となった。

 

米国債券市場は横ばい:月末絡みのポジション調整の買いも

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ1.49%で終了した。米中の貿易摩擦を巡る懸念が和らぎ債券売りが先行したものの、3連休を控えたポジション調整目的の買いが入ると持ち直した。市場では『月末特有のデュレーション(保有債券の平均残存期間)長期化目的の買いが入った』との指摘もあった。

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