FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易摩擦激化後退で買い優勢

NYダウは269.93ドル高の25898.83、ナスダックは101.97ポイント高の7853.74で取引を終了した。トランプ米大統領が主要7カ国首脳会議(G7サミット)で記者団に対し、米中の貿易交渉担当者が電話で協議したことを明らかにし『中国との交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう』などと述べると、米中協議への期待が広がった。前週末に623ドル安と急落したあとだけに買いも入りやすかった。NYダウの上げ幅は一時310ドルを超えた。VIX指数は19.87から19.32へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:リスク回避後退でドル買い戻し優勢

ドル/円は、週明けのオセアニア市場では一時104.46円と2016年11月9日以来の安値を付けたものの、欧米市場ではショートカバーが優勢となり持ち直した。米中貿易摩擦を巡り協議再開への期待が再び浮上し、時間外のNYダウ先物が大幅に上昇したことで、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが進んだ。米長期金利が1.54%台まで上昇したことも相場の支援材料となった。節目の106.00円を上抜けたことで目先のストップロスを誘発すると、一時106.41円まで上値を伸ばした。その後の下押しも105.92円付近にとどまり106円を維持して引けた。トランプ米大統領はこの日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)で記者団に対し、米中の貿易交渉担当者が電話で協議したことを明らかにし『中国との交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう』などと発言した。G7サミット後の記者会見では『中国は米国との合意を強く望んでいる』と述べ、貿易協議の進展に期待を示した。一方、劉鶴中国副首相は講演で米国との貿易戦争について『冷静な態度で問題を解決したい』と語り、米国に協議再開を呼びかけた。米中貿易戦争への過度の警戒感が和らいだため、NYダウは一時310ドル超上昇する場面があった。

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された8月独Ifo企業景況感指数が94.3と予想の95.1を下回り、2012年11月以来約7年ぶりの低水準を記録したことを受けて、ユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.1094ドルと日通し安値を付けた。

 

NY原油先物市場は続落:供給ひっ迫懸念が後退し売り優勢

NY原油先物市場は、トランプ米大統領が『中国は協議再開を望んでいる』と述べ、劉・中国副首相が冷静な交渉を通じて米国との貿易摩擦を解決する意思があるとの見解を示し、協議再開への楽観ムードが広がり、買いが先行した。ただ、主要7カ国(G7)サミット終了後にマクロン仏大統領が、米国とイランの首脳会談に期待感を示し、イラン産原油の輸出拡大の思惑が高まったことや、為替相場でユーロ安・ドル高が進んだことを背景に、原油は続落して取引を終えた。 また、トランプ米大統領が状況が正しい方向に動けばイランのロハニ大統領との会談の可能性も示唆した。対イラン制裁が解除されイラン産原油の輸出再開にもつながるとの期待もひろがり供給ひっ迫懸念も後退した。

 

NY金先物市場は小反落:米中通商協議再開期待から売り優勢

NY金先物市場は1534.80-1565.00ドルのレンジ相場となった。米中報復関税合戦のエスカレートを背景に週明けも金先物は買いが先行し、一時1565.0まで上昇した。ただ、その後は米中通商協議の再開が示唆されたため、利益確定売りが入り、上げ幅をほぼ吐き出した。 

 

米国債券市場は横ばい:米中対立不安根強く下値は堅い

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ1.53%で終了した。米中協議再開への期待から株価が反発し、安全資産とされる米国債に売りが先行したものの、米中対立を巡る不透明感は根強く下値は堅かった。 

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