FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:地政学リスクの高まりを嫌気

NYダウは218.55ドル安の24189.45、ナスダックは25.27ポイント安の7069.03で取引を終了した。シリア情勢が警戒される中、トランプ大統領がツイッターで『ミサイルがシリアに来るのでロシアは準備せよ』と述べたことで投資家心理が悪化し、250ドル超下落した。ただ、原油価格先物が上昇すると石油株中心に買い戻しが入り、40ドル超安まで持ち直す場面もあった。FOMC議事録では、大半の当局者が経済見通しとインフレ目標達成に自信を強めており、段階的な利上げが適切との認識で一致している一方で、貿易戦争が経済の下振れリスクになると判断された。VIX指数は20.47から20.24へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルは方向感ない展開に終始

ドル/円は、シリア情勢が警戒されるなか、トランプ米大統領がツイッターで『ミサイルがシリアに来るのでロシアは準備せよ』と発言すると、NYダウ先物の急落とともにドル売りが強まった。3月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.1%低下と予想の横ばいを下回り、米長期金利も急低下したことで106.68円まで弱含んだ。売り一巡すると106.96円まで切り返したが、原油高を受けて対資源国通貨中心にドル売りが強まり106.65円まで再び下げた。 その後、米長期金利の低下幅縮小とともに買い戻される展開に。米FOMC議事要旨(3月20-21日分)で『見通しは利上げ加速を正当化と多くの当局者が判断』『メンバー全員がインフレはここ数カ月で上向いていると指摘』『大規模な財政政策が成長を今後数年促進する』などと伝わると、全般ドル買いで反応し107.06円まで持ち直した。もっとも、NYダウが引けにかけて250ドル超下げたことで106.70円台まで失速するなど方向感が定まらなかった。ユーロ/ドルは、米長期金利の低下を背景に一時1.2396ドルまで上げたが、総じて1.2380ドル前後での神経質な動きが続いた。その後、FOMC議事要旨を受けて全般ドル高が進み、1.2347ドルまで下げ足を速めたが、一巡すると1.2370ドル台まで反発した。

 

NY原油先物市場は続伸:中東の地政学リスク高まりから買い優勢

NY原油先物市場は、一時67.45ドルと2014年12月上旬以来約3年4ヵ月ぶりの高値まで買われた。米国などによるシリアへの武力行使の可能性が高まっており、原油供給に何らかの影響が及ぶことが警戒されたことが買い材料となった。中東地域における地政学リスク増大を受けて米ドルが主要通貨に対してやや下落したことも買い材料となった。

 

NY金先物市場は大幅続伸:地政学リスクの高まりから買い優勢

NY金先物市場は、一時1369.40ドルと約1年8ヵ月ぶりの高値まで買われた。米国などによるシリアへの武力行使の可能性が高まっており、中東地域における地政学リスク増大を意識してリスク回避の買いが活発化した。米国株の反落や米長期金利の低下も買い材料となった。なお、公表されたFOMCの議事要旨では『今後数年、財政政策が成長を大きく促進する』、『ほぼ全ての金融当局者が漸進的な利上げが適切と判断している』との記述が含まれており、利上げ継続の方針が再確認された。

 

米国債券市場は反発:地政学リスクの高まりから買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.02%低い(価格は上昇)2.78%で終了した。シリアを巡る地政学リスクが意識される中、トランプ米大統領が『ミサイルがシリアに来るのでロシアは準備セよ』とツイートしことで安全資産とされる債券需要が高まった。米3月消費者物価指数(CPI)が前月比で予想を下回ったことも買い材料となったが、買い一巡後後は上値が切り下がった。

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