FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易摩擦の激化懸念後退を好感

NYダウは249.78ドル高の26135.79、ナスダックは106.82ポイント高の8002.81で取引を終了した。中国やドイツの景気刺激策への期待から、アジアや欧州の株式相場が上昇したことや、米長期金利の低下が一服し米国株にも買いが波及した。『米国は中国の通信機器メーカー華為技術(ファーウェイ)に対する制裁措置の一部猶予の期間をさらに90日間延長する』と伝わると、米中貿易摩擦の激化懸念が後退し買いを促した。NYダウの上げ幅は一時336ドルに達した。VIX指数は18.47から16.88へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、中国やドイツの景気刺激策への期待からアジアや欧州の株式相場が上昇したことを受け、投資家のリスク回避姿勢が後退したことで円売り・ドル買いが出た。米長期金利が一時1.6233%前後まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時106.70円と日通し高値を付けた。その後106.46円付近まで下押しする場面もあったが、米金利上昇や米国株高に伴う円売り・ドル買いは根強く下値は限定的だった。もっとも、NY時間の値幅は24銭程度と小さかった。23日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演を控える中、米経済指標の発表もなく大きな方向感は出なかった。なお、ロス米商務長官は『FRBの金融政策によるドル高は非常に不快』などと述べたほか、トランプ米大統領は『政策金利は少なくとも100bp引き下げるべき』『量的緩和(QE)を再開するべき』との見解を示したが、相場の反応は限られた。 

ユーロ/ドルは、一時1.1114ドルと日通し高値を付けたものの、上値は重かった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.1076ドルと日通し安値を付けた。

 

NY原油先物市場は続伸:米中対立解消期待と中東情勢リスクで買い優勢

NY原油先物市場は54.84ドルー56.41ドルのレンジ相場となった。世界経済の成長鈍化への懸念は消えていないものの、米中対立が解消に向かうとの見方が浮上し、米国株式の続伸を好感した買いが入った。また、週末にサウジアラビアの南東に位置するシャイバ油田が、ドローン攻撃を受けたことを嫌気し原油価格は2営業日続けて上昇した。攻撃は小さな火災が起きたのみで、大きな損傷などはないと発表はされているが、中東の地政学リスク不安が原油価格を下支えした。

 

NY金先物市場は続落:リスク選好の売り優勢

NY金先物市場は1503.30-1523.60ドルのレンジ相場となった。中国本土株式市場がほぼ3週ぶりの高値をつけ、その後の欧米株式市場も軒並み上昇し、債券は売られ、市場全体的にリスク回避姿勢が一時的に後退した。リスク選好による流れから安全資産とされる金価格に売り圧力がかかり、続落して引けた。また、1520ドル近辺には戻り売りの興味が残されており、目先における上値目途になる可能性がある。

 

米国債券市場は続落:リスク回避の動きが後退した売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.60%で終了した。米中貿易摩擦の激化懸念が後退したことで安全資産とされる米国債に売りが先行した。前週末に伝わった『米財務省は期間50年や100年のウルトラロング国債の発行検討』との報道も債券売りを誘った。

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