FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:世界的な景気減速懸念後退で買い優勢

NYダウは306.62ドル高の25886.01、ナスダックは129.38ポイント高の7895.99で取引を終了した。米長期金利の低下が一服し、世界的な景気減速懸念がひとまず和らぐと買いが優勢になった。これまで大きく下げていた金融やハイテク株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。市場では『中国やドイツの景気刺激策への期待から買いが入った面もある』との声が聞かれ、一時350ドル超上げた。 VIX指数は21.18から18.47へ低下した。なお、中国が今年と来年の可処分所得を押し上げる景気刺激策を検討していると報じられた。

 

NY外国為替市場:106円台前半でのもみ合いに終始

ドル/円は、前日に一時1.4732%前後と2016年8月以来の低水準を付けた米10年債利回りが1.5927%前後まで上昇したことを受けて、投資家心理が改善。欧州序盤には一時106.49円まで値を上げた。ただ、NY市場に限れば106円台前半でのもみ合いに終始した。ユーロ/円などクロス円の上昇につれた買いが入った半面、対ユーロなどでのドル売りが相場の重しとなりドル/円自体は方向感が出なかった。なお、7月米住宅着工件数は119.1万件と予想の125.7万件を下回った一方、7月米建設許可件数は133.6万件と予想の127.0万件を上回った。また、8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値は92.1と予想の97.2を下回り、今年2番目の低水準となった。 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は前日に『9月にインパクトのある大規模刺激策を実施する必要がある』などと発言した。ECBによる早期の追加緩和への期待からユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1066ドルと1日以来の安値を付けた。ただ、『ドイツは景気後退に陥った場合、財政均衡ルールを撤廃し新たな借り入れを行う用意を整える』との独シュピーゲル誌の報道をきっかけに独長期金利が急上昇するとユーロ買い戻しが優勢となった。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.1107ドル付近まで値を上げた。 

 

NY原油先物市場は反発:世界経済の過度な警戒感後退で買い優勢

NY原油先物市場は、世界経済の減速に対する過度な警戒感が後退し、原油先物には時間外から買いが先行した。WTI9月限は一時55ドル半ばまで上昇した。その後、石油輸出国機構(OPEC)による2019年石油需給見通しの下方修正が伝わると、54ドル前半に押される場面もあった。もっとも、金融市場全般にリスクオフの動きは一旦後退しており、原油相場も底堅さを取り戻して推移した。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比から6基増加し770基となった。

 

NY金先物市場は反落:リスク回避一服で利益確定売り優勢

NY金先物市場は1513.90-1538.60ドルのレンジ相場となった。週初から進んだリスク回避地合いは一旦後退した。米国株式市場は底堅く、米長期金利も低下傾向が一服した。これまで安全資産とされて買いが強まっていた金は、利益確定の売りが優勢となった。また、ユーロが伸び悩んだことも上値を重くした。

 

米国債券市場では反落:欧州債券売りにつれた売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.55%で終了した。ドイツなど欧州国債相場が下落した流れを引き継いで売りが先行した。米国株相場の上昇も相場の重しとなった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ