FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:世界的な景気減速懸念を嫌気した売り

NYダウは800.49ドル安の25479.42、ナスダックは242.42ポイント安の7773.94で取引を終了した。中国の7月鉱工業生産が10年ぶりの低水準となったほか、ドイツの4-6月期GDP速報値がマイナス成長となり、売りが先行した。NYダウを構成する全30銘柄が下落し、下げ幅は今年最大となった。米債券市場で米10年債利回りが2年債利回りを下回る『長短金利の逆転現象(逆イールド)』が発生。リセッション(景気後退)の前兆と捉えられる逆イールドの発生で投資家心理が悪化し、NYダウは800ドル超下落した。 VIX指数は17.52から22.10へ上昇した。

 

NY外国為替市場:世界景気の減速懸念でドル高と円高

ドル/円は、この日発表の中国や欧州の経済指標が低調だったことから、世界景気の減速懸念が高まり時間外の米10年債利回りが一時1.5708%前後まで大幅に低下した。2007年以来となる米2年債利回りを下回った。英国でも10年債と2年債の利回りが逆転し、リセッション(景気後退)の前兆ともされる現象が起きたため、投資家のリスク回避姿勢が強まり円買い・ドル売りが先行し、一時105.66円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。ユーロや資源国通貨などに対してドル高が進んだ影響で徐々に下値が堅くなると、106円台前半まで下げ幅を縮める場面があった。なお、トランプ米大統領はツイッターで『米連邦準備理事会(FRB)の金融政策変更ペースが遅い』と批判し、より迅速な行動を呼び掛けた。また、ナバロ米大統領補佐官(通商担当)はFOXニュースとのインタビューで『FRBは一刻も早く50bpの利下げを行うべき。そうすればNYダウは3万ドルまで値上がりするだろう』と語った。

ユーロ/ドルは、独10年債利回りが一時▲0.657%と連日で過去最低を更新したことを受けてユーロ全面安の展開となり、一時1.1131ドルと5日以来の安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は反落:経済減速から原油需要減への懸念から売り優勢

NY原油先物市場は53.97ドル-56.85ドルのレンジ相場となった。アジア時間に発表された7月中国鉱工業生産は、17年以上ぶりの低調な伸び率となった。同国の経済減速から原油需要減への懸念が高まり、原油先物は時間外から上値重く推移した。欧州時間からは金融市場全般にリスク回避姿勢が強まると、リスク資産の原油への売りに勢いがついた。米エネルギー省が発表した週間石油在庫では、原油が158万バレルの積み増しとなった。一部では取り崩しを予想していたこともあり、更に原油相場の下押し圧力となった。

 

NY金先物市場は大幅反発:リスク回避の動き強まり買い優勢に

NY金先物市場は1504.50-1534.90ドルのレンジ相場となった。低調な結果となった中国や欧州の経済指標を受けて、安全資産の金には買いが先行した。また、昨日は過度な警戒感が後退した米中通商摩擦だが、協議の進展見込みが高いわけではなく、金融市場は再びリスク回避姿勢に傾いた。また、中国経済の減速懸念、米長期金利の低下、米株が下げ幅を拡大するのを眺めて、金買いが強まった。

 

米国債券市場は大幅反発:世界景気の減速懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは大幅反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.12%低い(価格は上昇)1.58%で終了した。この日発表の中国や欧州の経済指標が低調だったことから、世界景気の減速懸念が高まり安全資産とされる米国債に買いが集まった。10年債利回りが2年債を逆転する『逆イールド』が12年ぶりに発生した。逆イールドはリセッション(景気後退)の前兆とされる。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ