FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易摩擦激化懸念を嫌気

NYダウは90.75ドル安の2687.44、ナスダックは80.02ポイント安の7959.14で取引を終了した。トランプ米大統領が『華為技術(ファーウェイ)と取引するつもりはない』『9月の中国との会合はキャンセルの可能性もあり得る』などと述べると、米中貿易摩擦激化への懸念から売りが活発化した。一時280ドル超下げた。ただ、押し目を拾いたい向きは多く取引終了にかけて上げに転じる場面もあった。市場では『長期的な株価の推移を示す200日移動平均線がNYダウのサポートとなっており、投資家心理の支えになっている』との指摘があった。VIX指数は16.91から17.97へ上昇した。

 

NY外国為替市場:全般ドル売り優勢も引けにかけて買い戻し

ドル/円は、米7月卸売物価指数(PPI)コア指数が予想を下回ったことを受けて円買い・ドル売りが先行した。米中貿易摩擦激化への懸念からドル売りが加速した。トランプ氏がFRBに1.00%の利下げを要求したことも相場の重しとなり、一時105.23円と1月3日以来約7カ月ぶりの安値を付けた。ただ、一時は280ドル超下落したNYダウがプラス圏を回復し、米長期金利が上昇に転じるとドル円にも買い戻しが入り105.71円付近まで下げ渋った。 

ユーロ/ドルは、サルビーニ伊副首相(同盟党首)が8日に早期の解散総選挙を要求したほか、極右『同盟』が9日に内閣不信任案を提出した。同国への政治混乱への懸念から、欧州市場では一時1.1180ドルまで売られた場面があった。ただ、トランプ米大統領が米中貿易交渉は継続するものの、『当面の合意はない』との考えを明らかにしたほか、FRBに大幅利下げを要求すると全般ドル売りが進行し、一時1.1223ドルと日通し高値を付けた。もっとも、前日の高値1.1232ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重石となった。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:持ち高調整の買いが優勢

NY原油先物市場は、週末を控えて持ち高調整の買いが入り、為替相場でドルが対ユーロで売りが優勢となったことも原油高を後押しした。また、サウジアラビアが市場を安定させるために輸出を制限する計画を発表したことで、供給ひっ迫不安を受けた買いが再燃した。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比から6基減少し764基となったことも支援材料となった。 

 

NY金先物市場は小幅続落:週末控えポジション調整売り

NY金先物市場は1506.20-1521.10ドルのレンジ相場となった。米国がファーウェイと取引再開のライセンス決定を見送ったとの報道を受けて買いが先行したが、週末を控えた利益確定売りに押された。ただ、世界的な金融緩和や米中貿易摩擦の激化懸念で金の先高観は根強く、1500ドル大台を維持して取引を終えた。

 

米国債券市場は反落:週末控えポジション調整売り

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.74%で終了した。伊政局不安や米中貿易摩擦激化への懸念から安全資産とされる米国債に買いが先行したものの、買い一巡後は週末を控えてポジション調整目的の売りが優勢になった。 

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