FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易摩擦の激化懸念から売り優勢

NYダウは98.41ドル安の26485.01、ナスダックは107.05ポイント安の8004.07で取引を終了した。トランプ米大統領が前日に対中制裁関税「第4弾」の発動を表明すると、中国政府も対抗措置を取ると発表した。米中貿易摩擦が激化し、世界経済の減速につながるとの懸念が広がった。アップルやダウ、キャタピラーなど中国関連銘柄が売られ、指数は一時330ドル超下げた。ただ、マクドナルドなどディフェンシブ銘柄に買いが入ると、引けにかけて下げ渋った。米7月雇用統計では非農業部門雇用者数が予想に概ね一致し、平均時給の伸びが加速したが、相場への影響は限定的だった。 VIX指数は17.87から17.64へ低下した。

 

NY外国為替市場:米中貿易摩擦激化懸念からリスク回避の円買い

ドル/円は、トランプ米大統領は前日、中国に対する制裁関税『第4弾』を9月1日に発動すると表明した。中国側も本日、対抗措置を取る姿勢を示したため、米中貿易摩擦激化による世界経済の悪化懸念が強まり、リスク回避目的の円買い・ドル売りが優勢となり、一時106.51円と1月3日のフラッシュクラッシュ以来の安値を付けた。NYダウが一時330ドル超下落し、日経平均先物が260円下げたことも相場の重石となった。『トランプ米大統領は対中制裁関税の発動延期や中止にオープン』とのCNBCの報道をきっかけにショートカバーが強まり107.28円付近まで急速に上げる場面もあったが、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が『対中追加関税延期の可能性については何も聞いていない』と述べたことも嫌気された。 

ユーロ/ドルは、トランプ米大統領の欧州連合(EU)貿易に関する発表を控える中、独・仏10年債利回りが一時過去最低を更新したことを材料にユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1078ドル付近まで下押しする場面があった。ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.1070ドルを下抜けることは出来なかった。米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.1116ドルと日通し高値を付けた。なお、トランプ米大統領はホワイトハウスで開いた署名式で『EUが米国産牛肉に対して無関税の輸入枠を設けることで合意した』と発表した。市場では『今回の合意は米欧関係の改善につながる』との見方があるものの、依然として自動車や航空機、デジタル課税など幅広い問題で摩擦を抱えている。 

 

NY原油先物市場は反発:中東情勢の緊張や稼動リグ数減少で買い優勢

NY原油先物市場は、前日はトランプ米大統領が中国へ10%の追加関税を課すと表明し、景気の先行きに対する不透明感が、エネルギー需要に関する懸念を高めて急反落した。しかし、中東情勢の緊張で石油輸出に影響がでるとの懸念が根強い。また、全米の石油掘削装置の稼働数の減少を受けて供給不安を受けた買いが強まった。為替市場でドル安となったことも買い材料となった。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比から6基減少の770基となった。

 

NY金先物市場は大幅高:米長期金利低下と米国株安で買い優勢

NY金先物市場は1442.50-1461.90ドルのレンジ相場となった。この日発表された7月米雇用統計はおおむね市場予想と一致したが、米長期金利は低下し、米国株式は弱含みとなったことから、安全逃避の買いが入った。また、米国による対中追加関税の発動表明で貿易摩擦への懸念が高まっていることもリスク資産としての金に資金が集まった。

 

米国債券市場は続伸:米中貿易摩擦激化の懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.84%で終了した。米中貿易摩擦の激化が懸念され、安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは時間外取引で一時1.8298%前後と2016年11月上旬以来およそ2年9カ月ぶりの低水準を付けた。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ