FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:トランプ大統領の発言を嫌気

NYダウは23.53ドル安の27335.63、ナスダックは35.39ポイント安の8222.80で取引を終了した。複数の主要企業決算を受け、寄り付き後から揉み合う展開となった。良好な米小売統計を受けてプラス圏で推移する場面もあったが、トランプ米大統領が『米中通商合意は長い道のり。必要なら追加関税を課す可能性』と述べたと伝わると、投資家心理が悪化し売りが出た。原油先物価格の急落を背景に、エクソンモービルやシェブロンなど石油株が売られたことも相場の重石となった。VIX指数は12.68から12.86へ上昇した。

 

NY外国為替市場:良好な米6月小売売上高受けドル買い強まる

ドル/円は、米小売売上高が予想を上回ったことで円売り・ドル買いが出たほか、米長期金利の上昇に伴う買いが入り、一時108.37円と日通し高値を付けた。ただ、トランプ米大統領が『米中通商合意は長い道のり。必要なら追加関税を課す可能性』などと述べると米国株が失速した。ドル/円にも売りが出て伸び悩む場面があった。 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は講演で「不確実性が高まっており、FRBは適切に行動する」などと述べたが、新味の内容に乏しく市場の反応は限られた。 

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された7月独ZEW景況感指数が予想を下回ったため、ユーロ圏経済の減速懸念が強まりユーロ売り・ドル買いが先行した。NY時間に入り、6月米小売売上高が予想を上回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが活発化し、一時1.1202ドルと日通し安値を付けた。米長期金利が一時2.14%台まで上昇したこともドル買いを促し、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは97.44まで上昇した。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:中東の地政学リスクの後退で売り優勢

NY原油先物市場は57.07ドル-60.06ドルのレンジ相場となった。予想比上振れの米小売売上高を受けたドル高と中東の地政学リスクの後退で、原油は売りが優勢となった。一部報道によると、トランプ米大統領はイランとの関係に大きな進展があったと述べ、ポンペオ米国務長官はイランが核問題で話し合いに応じると表明したと伝わった。天候要因で縮小していた米メキシコ湾での生産が復旧に向かっていることも原油の上値を圧迫した。トランプ米大統領が『望めば中国からの輸入品に追加課税を課すことができる』と述べたことも嫌気された。

 

NY金先物市場は小幅安:良好な米経済指標受け売り優勢

NY金先物市場は1402.10-1420.00ドルのレンジ相場となった。強い米6月小売売上高を背景に為替市場ではドル高が進み、米長期金利が上昇し、金は売りが優勢となった。ただ、今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測は変わらず、金の下値は堅かった。また、中東情勢の緊張度はやや低下したことから、安全逃避的な金買いは縮小した。

 

米国債券市場は反落:好調な米6月小売売上高の結果を受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.10%で終了した。米6月小売売上高が予想を上回ったことが債券売りを誘ったものの、トランプ米大統領の発言を受けて米中貿易摩擦の激化・長期化への懸念が高まると下げ幅を縮めた。

 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ