FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場:米中貿易摩擦への懸念後退で買い優勢に

NYダウは353.01ドル高の26465.54、ナスダックは108.86ポイント高の7953.88で取引を終了した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加の金融緩和の可能性に言及し、欧州株が全面高となり、米国株も買いが先行した。トランプ米大統領が28-29日のG20大阪サミットで習近平・中国国家主席と首脳会談を開く見通しを表明した。米中貿易摩擦への懸念が和らぎ、アップル(2.35%高)や3M(3.07%高)、キャタピラー(2.36%高)など中国売上高比率が高い銘柄を中心に買いが広がった。NYダウの上げ幅は一時410ドルを超えた。 VIX指数は15.36から15.15へ低下した。

 

東京外国為替市場:米中協議の進展期待からリスク選好のドル買い

ドル/円は、新潟県村上市で震度6強を観測する地震が発生し、新潟・山形・石川各県の沿岸に津波注意報が出されるとリスク回避目的の円買い・ドル売りが先行し。一時108.01円と日通し安値を付けた。ただ、トランプ米大統領がツイッターで『習近平・中国国家主席と良い電話会談を行った。来週日本で開催されるG20大阪サミットで協議を継続する』との見解を示すと、米中協議の進展期待からダウ平均が410ドル超上昇した。ドル/円にも買い戻しが入り、一時108.68円と日通し高値を付けた。とはいえ、前日の高値108.72円を上抜けることは出来なかった。大手ベンダーが関係者の話として『ホワイトハウスは2月にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長降格について法的に可能か検証していた』と報じると、108.23円付近まで急失速した。もっとも、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が『トランプ米大統領はパウエルFRB議長の地位変更を検討していない』と明らかにしたため、下押しも限定的だった。なお、同委員長は過去に検討したかとの質問にはコメントしなかった。

ユーロ/ドルは、ドラギECB総裁がECB年次フォーラム冒頭演説で、『(経済・物価情勢が改善しなければ)追加の刺激策が必要になる』などと述べたと伝わると、独10年債利回りが一時▲0.328%前後と過去最低を更新した。6月独ZEW景況感指数が▲21.1と予想の▲5.8を大幅に下回ったことも相場の重しとなり、欧州市場序盤に一時1.1181ドルと3日以来の安値を付けた。プラートECB専務理事が『欧州圏の賃金やインフレは回復している』と発言したと伝わると、一時1.1213ドル付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍かった。NY市場では1.1200ドルを挟んだ狭いレンジ取引に終始した。 

 

NY原油先物市場は大幅反発:米中協議進展期待から買い優勢

NY原油先物市場は51.50ドル-54.31ドルのレンジ相場となった。米国の5月住宅着工件数が予想を上回ったことや、トランプ大統領が米中首脳会談の開催を確認したことが好感された。米中貿易摩擦を巡る懸念は消えていないものの、米中協議の進展が期待されており、原油需要の拡大に直結するとの見方が広がった。また中東の地政学リスクも支援となった。

 

NY金先物市場は反発:リスク選好の動きで上値が重く

NY金先物市場は1342.10-1358.50ドルのレンジ相場となった。ファーウェイのスマホ出荷減少見通しなど、米中問題の深刻化を意識させるニュースが伝わり、リスク回避資産の金を買う動きが先行した。ただ、米中首脳の通商交渉に前向きなコメントが流れると、金相場は上昇幅を縮小した。同報道で大幅米国株高やドルが買い戻されたことも、ドル建て金相場の割高感につながり、上値を重くした。 

 

米国債券市場は反発:ドラギECB総裁のハト派発言受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.038%低い(価格は上昇)2.056%で取引を終了した。ドラギECB総裁が追加緩和の可能性に言及したことを受けて欧州債が上昇し、つれて米国債にも買いが波及した。ただ、米国株が堅調に推移すると相場は伸び悩んだ。 

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