FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:貿易摩擦が世界経済の減速懸念を嫌気

NYダウは4.74ドル高の24819.78、ナスダックは120.13ポイント安の7333.02で取引を終了した。前週末に約4カ月ぶりの安値を更新したあとだけに、短期的な戻りを期待した買いが入った。ただ、米国を中心とした貿易摩擦が世界経済の減速につながるとの懸念は根強く、指数は一時130ドル超下げる場面があった。 ナスダック総合指数はハイテク大手への独禁法違反での調査への懸念から売りが広がり、大幅下落となった。中国やメキシコとの貿易摩擦が懸念されたほか、米国債イールドカーブ(長短金利差)が再び逆転し、世界経済の減速懸念から上値の重い展開となった。VIX指数は18.71から18.86へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRBの利下げ思惑からドル全面安

ドル/円は、NYダウが一時120ドル超上昇したタイミングで円売り・ドル買いが出て、一時108.45円と日通し高値を付けた。ただ、ブラード米セントルイス総裁が利下げの可能性に言及すると、米長期金利が一段と低下しドル売りが活発化した。米長期金利が一時2.0590%前後と2017年9月上旬以来の低水準を付けるなか、ドル円は107.85円と1月10日以来の安値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時97.11と5月13日以来の低水準を付けた。

ユーロ/ドルは、5月米ISM製造業景気指数が52.1と前月の52.8から悪化し2016年10月以来2年7カ月ぶりの低水準を付け、予想の53.0を下回るとユーロ買い・ドル売りが先行した。4月米建設支出が前月比横ばいと予想の前月比0.3%増を下回ったこともユーロ高・ドル安につながった。ブラード米セントルイス連銀総裁が利下げに言及すると全般ドル売りが活発化し一時1.1262ドルと5月13日以来の高値を付けた。
 米中の対立が深まる一方、米政府は先月末にメキシコにも関税を課すと表明した。これまで堅調だった米景気も減速するとの見方が強まり、米長期金利は大きく低下した。市場では『米FRBが年内に2-3回利下げを実施する』との観測も出ている。 

 

NY原油先物市場は続落:景気先行き見通し悪化懸念

NY原油先物市場は、先週末の急落から安値拾いの買いが入るも、米中貿易摩擦のエスカレートでエネルギー需要の減退懸念が高まっていることや、トランプ米大統領の対メキシコ制裁関税の発動表明を背景とした、両国間で行われている原油などエネルギー製品の輸出入に影響が及ぶとの懸念が引き続き原油の上値を圧迫した。 

 

NY金先物市場続伸:世界経済の減速懸念からリスク回避の買い優勢

NY金先物市場は1310.90-1333.00ドルのレンジ相場となった。トランプ米大統領が仕掛けている世界的通商リスクへの懸念で投資家のセンチメントが悪化しており、逃避資産とされる金の買いが継続した。また、米長期金利の低下を背景に為替市場でドル安・ユーロ高が進んだことも金の買いを後押しした。 また、米国債イールドカーブ(長短金利差)が再び逆転し、世界経済の減速懸念からリスク回避目的の資金が金市場へ流入した。

 

米国債券市場は続伸:リスク回避の動きで債券需要強まる

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)2.07%で終了した。米国と中国・メキシコとの貿易摩擦が激化し、世界的に景気が減速するとの懸念から米利下げ観測が一段と強まった。ブラード米セントルイス連銀総裁が利下げの可能性に言及すると、10年債利回りは一時2.0590%前後と2017年9月上旬以来の低水準を付けた。

 

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