FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米国発の貿易摩擦拡大を嫌気

NYダウは354.84ドル安の24815.04、ナスダックは114.57ポイント安の7453.15で取引を終了した。トランプ米大統領は30日、メキシコが不法移民対策を講じなければ、同国からの輸入品全てに制裁関税を課すと表明した。6月10日に5%の税率を適用した後、段階的に引き上げて10月1日には最大25%とする方針。また、中国は6月1日、米国の対中制裁関税拡大に対する報復として、600億ドル相当の米国製品に課している追加関税を最大25%に引き上げた。米国発の貿易摩擦拡大が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が広がり、指数は一時360ドル超下げた。 また、中国政府が米国を念頭に同国企業の利益を阻害する外国企業をリスト化する方針を発表したほか、米長期金利の低下も嫌気された。VIX指数は17.30から18.71へ上昇した。

 

NY外国為替市場:全般リスク回避のドル売り優勢

ドル/円は、トランプ米大統領は30日、メキシコからの輸入品全てに制裁関税を課すと表明した。また、中国は6月1日、米国の対中制裁関税拡大に対する報復として、600億ドル相当の米国製品に課している追加関税を最大25%に引き上げた。米国発の貿易摩擦拡大が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が広がり、NYダウは一時360ドル超下落した。米長期金利も一時2.1246%前後と2017年9月中旬以来の低水準を付けたため円買い・ドル売りが優勢となった。取引終了間際に一時108.23円と1月15日以来約4カ月半ぶりの安値を付けた。

ユーロ/ドルは、米国と中国・メキシコとの貿易摩擦が激化し、世界的に景気が減速するとの懸念から米国株下落と米金利低下、ドル安が進み一時1.1180ドルと日通し高値を付けた。独長期金利が一時▲0.213%前後と過去最低を付けたほか、月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが観測されると、1.1137ドル付近まで押し戻される場面もあったが、下押しは限定的だった。米金利低下などを背景にドルを売りたい向きは多く底堅く推移した。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:世界経済の停滞懸念広がり売り優勢

NY原油先物市場は53.05-56.61ドルのレンジ相場となった。米中貿易戦争に続いて、米国とメキシコの移民問題に対してトランプ米大統領がメキシコへの関税引き上げを示唆したことで、更に世界経済の停滞に発展する可能性が高まった。この影響で原油の需要も弱まるとの連想で、原油先物は大幅に続落した。またポーランドとドイツが世界最長のパイプラインでもあるドルジバパイプラインを所有するロシアと蒸留事業について合意したとの報道も、原油価格の重石となった。なお、メキシコ産原油も課税対象に含まれる場合、5%のコスト高が米国の石油精製業の業績を圧迫するとの見方も広がっている。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比3基増加の800基となった。

 

NY金先物市場は続伸:米国発の貿易摩擦拡大懸念で買い優勢

NY金先物市場は1292.50-1311.90ドルのレンジ相場となった。トランプ米大統領が、不法移民問題が解決しない苛立ちを、メキシコに追加関税を課すことにしたことで、米中貿易戦争が袋小路に入り、米墨間の通商交渉も亀裂が生じそうなことで世界経済の減速懸念でドル安が進んだ。金先物価格はドル安による値ごろ感や、リスクオフ姿勢が鮮明になっていることで大幅に上昇した。世界経済のさらなる減速が懸念されており、安全資産としての金買いが活発となった。

 

米国債券市場は続伸:安全資産としての債券買い旺盛

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)2.12%で終了した。2017年9月中旬以来の低水準となった。米国と中国、メキシコとの貿易摩擦が激化し、世界的に景気が減速するとの懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。FRBによる年内利利下げ観測が高まっていることも相場の支援材料となった。

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