FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易交渉に再び警戒感強まる

NYダウは100.72ドル安の25776.61、ナスダックは34.88ポイント安の7750.84で取引を終了した。米政府が中国の監視カメラ企業に対する米製品の禁輸措置を検討していると報じられたことで、米中貿易摩擦への懸念が高まった。アナリストに「中国販売が禁止された場合、利益が大幅減となる」と指摘されたアップルが2%超下落したほか、中国向け売上比率が高いキャタピラーやボーイングが売られた。 注目のFOMC議事録では、大半の当局者がインフレ圧力の弱まりは一時的だとするパウエル議長の意見を支持しており、利下げを示唆する内容は含まれなかった。発表後に株価を押し上げるには至らず、終日軟調推移となった。VIX指数は14.95から14.75へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の円買いでドル下押し

ドル/円は、米中貿易交渉の行方に再び警戒感が広がりNYダウが一時120ドル超下落した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが進んだ。米長期金利が2.38%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時110.24円と日通し安値を付けた。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した4月30日-5月1日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では『当面の間、忍耐強い政策が適切と判断』『多くのメンバーはインフレの低下は一時的との認識』との見解が示されたが、相場の反応は限られた。 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下などをながめユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1180ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.1188ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。原油先物価格の大幅下落を背景にドル高・資源国通貨安が進むと、ユーロに対してもドル買いが入り値を消した。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:米国の在庫増を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は62.78ドルから61.03ドルまで下落した。昨日、サウジアラビアが石油市場の需給均衡を目指す意向を示したことが材料とされ、原油相場は売りが先行した。また、この日発表された米エネルギー情報局(EIA)週報(週次石油在庫統計)で、国内全体の原油在庫が減少予想に反して大幅な増加になったほか、原油先物の受け渡し拠点オクラホマ州クッシングの在庫やガソリン在庫も増加したことで、売りが急速に広がった。

 

NY金先物市場は小幅反発:米中貿易交渉に再び警戒感強まり買い優勢

NY金先物市場は1277.10ドルを高値に、一時1272.80ドルまで下落した。米トランプ政権が中国の監視カメラ最大手についても米企業による取引の制限を検討しているとの報道を受け、米中通商摩擦の激化懸念が再燃して買いが先行した。また、ドルがユーロに対して売られた場面ではドル建ての金先物も強含んだ。その後、通常取引終了後に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日-5月1日開催分)の公表を控え、いったん持ち高調整的な売りとなったが、株安や原油安を受けて再び安全志向的な買いが強まった。

 

米国債券市場は反発:リスク回避の強まりから買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)2.38%で終了した。米中貿易摩擦激化への懸念から米国株安が下落したことで、安全資産とされる米国債に買いが入った。

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