FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易摩擦の激化懸念を嫌気

NYダウは84.10ドル安の25679.90、ナスダックは113.91ポイント安の7702.38で取引を終了した。米政府が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との取引を事実上禁じたことで、米中摩擦の激化懸念から売りが先行した。NYダウは一時200ドル超下げた。米政府の制裁措置を受けて『アルファベットはファーウェイとの取引を停止する見通し』と伝わった。インテル、クアルコム、ザイリンクスなど半導体メーカーも追随する模様となっている。米中関係の更なる悪化懸念からハイテク株を中心に売りが先行した。米国とイランの関係悪化による地政学リスクも嫌気され、終日軟調推移となった。VIX指数は15.96から16.31へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中貿易摩擦激化懸念リスク回避の動き

ドル/円は、中国外務省はこの日、米国が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の通信機器の使用や同社への輸出を規制したことに反発し、『ファーウェイとの取引を停止した企業とは、取引を控える可能性がある』との声明を発表した。米中貿易摩擦の激化懸念でリスク回避目的の円買い・ドル売りが先行し、一時109.81円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の下値は堅かった。米長期金利が上昇に転じ、2.41%台に乗せたことが円売り・ドル買いを誘ったほか、米国株が下げ幅を縮めたことなどが相場の下支え要因となった。引けにかけても底堅く推移し110円台を回復して取引を終えた。 

ユーロ/ドルは、ユーロ/ポンドの上昇につれたユーロ買い・ドル売りが小幅ながら入り、一時本日高値となる1.1175ドルまで値を上げた。ただ、23-26日に欧州議会選を控えているため、大きな方向感が出なかった。
なお、ユーロ/ポンドは一時0.8785ポンドと2月15日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。先週、英EU離脱を巡る英与野党協議が決裂したため、英政治とEU離脱問題の先行き不透明感が一段と強まり、ポンドが売られやすい地合いとなった。 

 

NY原油先物市場は反発:地政学リスクが意識される展開

NY原油先物市場は、62.45ドルから一時63.39ドルへ上昇した。トランプ大統領のツイート『もしイランが戦いを望むなら、イランの正式な終焉となるだろう』などで中東の地政学リスクは依然として意識され、週明けの原油先物は買いが先行した。OPEC加盟・非加盟国による協調減産は7月以降も継続される見込みとなったことも原油相場の支えとなり、63ドル後半まで上昇した。もっとも減産幅については6月会合に持ち越しとなり、ロシアの動向なども警戒される中で、買い一巡後は利食いの売りに押される場面もあった。また、米中通商摩擦への懸念による欧米株安で、需要後退への警戒がやや重石になった。

 

NY金先物市場は小幅反発:リスク回避の買いとドル高による売りが交錯

NY金先物市場は、1274.80ドルから1278.80ドルのレンジ相場となった。米グーグルが中国ファーウェイとの一部ビジネスを停止との報道を受けて欧米株安となり、安全志向的な買い需要がみられた。また、イランを巡る中東の地政学リスクの高まりなども意識された。一方で、英国のEU離脱問題の先行き不透明感や、欧州議会選に向けてEU懐疑派躍進への懸念から、ユーロ安・ドル高傾向になっており、割高感による売り圧力も継続し、上昇幅は限定的になった。

 

米国債券市場は下落:割高感が意識され売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)2.41%で終了した。米中貿易摩擦の激化懸念から買いが先行したものの、上値は重く次第に弱含んだ。市場では『割高感が意識されて売りが優勢となった』との指摘があった。

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