FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易摩擦激化を嫌気した売り優勢

NYダウは617.38ドル安の25324.99、ナスダックは269.92ポイント安の7647.02で取引を終了した。中国が600億ドル分の米国製品について6月1日から追加関税の引き上げを発表すると、米中対立激化への懸念が一段と増して投資家のリスク回避姿勢が強まった。キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄中心に売りが集まり、指数は一時710ドル超下落する場面があった。アップルやゴールドマン・サックスなども軟調だった。 VIX指数は16.04から20.55へ急上昇した。

 

NY外国為替市場:米中貿易摩擦激化でリスク回避の円買い

ドル/円は、国政府はこの日、600億ドル分の米国製品について関税を5-25%に引き上げると発表した。関税の応酬を巡る米中の衝突が激化する中、NYダウが一時720ドル近く下落すると投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが加速し、一時109.02円と2月1日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。節目の109.00円が意識されたほか、対ユーロなどでドル買い戻しが進んだ影響を受けた。ムニューシン米財務長官やトランプ米大統領の発言が伝わると、ショートカバーが強まり一時109.39円付近まで下げ幅を縮めた。
 なお、ムニューシン米財務長官は『米中の通商協議はまだ続いている』『訪中の時期は今調整中』などと発言した。また、トランプ米大統領が6月に日本で開催されるG20で、習近平・中国国家主席やプーチン・ロシア大統領と会談する方針を表明したほか、約3250億ドルの中国製品に対する追加関税については『まだ決まっていない』と述べた。 

ユーロ/ドルは、米中貿易摩擦の激化懸念から米長期金利が一時2.3874%前後と3月28日以来の低水準を付けるとユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1263ドルと1日以来の高値を付けた。ただ、買い一巡後はユーロ円の下落につれた売りなどが出たため値を消した。取引終了間際に一時1.1222ドルと日通し安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は続落:米中貿易摩擦激化を警戒

NY原油先物市場は60.64-63.33ドルのレンジ相場となった。サウジアラビアがアラブ首長国連邦(UAE)東部で同国船籍の石油タンカー2隻が『妨害攻撃』を受けたと報道し、中東情勢の緊迫懸念で一時63.33ドルまで上昇した。ただ、中国が報復措置として一部米製品に対する関税の引き上げを発表したことを受けてNYダウが一時720ドル超安まで暴落するなど投資家のリスクオフ姿勢が強まり、原油先物も徐々に売りに押された。 短期筋などのポジション調整的な売りも観測された。

 

NY金先物市場は大幅続伸:リスク回避の逃避資産として買い優勢

NY金先物市場は1282.40-1302.20ドルのレンジ相場となった。4月10日以来約1カ月ぶりに1300ドル台を回復した。中国が報復措置として6月1日から約600ドル相当の米製品に対して最大25%の関税を引き上げると発表し、米中貿易戦争の激化懸念が強まり、『逃避資産』の金が買われた。米国株安や米FRBの利下げ観測が浮上したことも買い材料視された。

 

米国債券市場は反発:リスク回避の債券買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)2.40%で終了した。米中貿易摩擦激化への懸念から、投資家がリスク回避姿勢を強めると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時2.3874%前後と3月28日以来の低水準を付けた。

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