FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米中貿易通商交渉絡みの報道に乱高下

NYダウは2.24ドル高の25967.33、ナスダックは20.44ポイント安の7943.32で取引を終了した。米中貿易摩擦の激化懸念から売りが先行したものの、中国が米国との通商交渉に前向きとの報道が伝わると一転上昇した。NYダウは一時150ドル超上げた。ただ、中国側は米国が関税を引き上げた場合、必要な対抗処置を取ると表明するなど、明日から始まる米中高官協議の行方を見極めたいとの思惑から、寄付き後から揉み合う展開となった。その後は緩やかに上昇したものの、引けにかけて下落した。取引終了にかけてはポジション調整の売りが出て急速に伸び悩んだ。VIX指数は19.32から19.40へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中閣僚級貿易協議を控え様子見ムード

ドル/円は、アジア時間に一時109.90円まで売り込まれた影響が残ったものの、NY時間に限れば大きな方向感は出なかった。
 トランプ米大統領がツイッターで『劉・中国副首相は通商協議を修復させるプランを持っている』と発言すると110.25円付近まで買いが先行したものの、米通商代表部(USTR)が『2000億ドル相当の中国輸入品に対する関税を10日に現行の10%から25%に引き上げる』と官報で正式通知すると失速した。その後、サンダース米大統領報道官が『中国から米国との合意に前向きな示唆があった』と述べると買い戻しが入ったものの、戻りは鈍かった。中国商務省が『米国の対中関税が発効すれば、中国は報復措置を講じる可能性がある』との声明を発表したことが嫌気されて一時109.97円付近まで下押しする場面があった。市場では『9日からワシントンで再開される米中閣僚級貿易協議を前に様子見気分が広がっている』との指摘があった。

ユーロ/ドルは、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けた買いが入り一時1.1214ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は上値が重くなった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.1183ドルと日通し安値を付けている。 

 

NY原油先物市場は反発:原油在校の減少を受け買い優勢

NY原油先物市場は61.07-62.37ドルのレンジ相場となった。原油在庫の減少を受けて上昇した。動きが重くなる場面もあったが、中国が米国との通商交渉に前向きとの報道が伝わり、原油の需要停滞を意識させた貿易問題が解決するとの期待が浮上し、上値を伸ばした。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国による減産の足並みの乱れが懸念されるなか、主要産油国サウジアラビアの6月原油輸出が日量700万バレル未満にとどまり、協調減産の割り当て枠内に生産が収まるとの観測も支援となった。

 

NY金先物市場は 反落:米国株安の一服と米長期金利上昇で買い縮小

NY金先物市場は1280.20-1292.80ドルのレンジ相場となった。米中貿易摩擦の長期化を警戒して金先物は1292.80ドルまで買われたが、株安が一服したことや9日から開かれる米中貿易協議の行方を見極めたいとの理由で、安全逃避の金買いは縮小した。米長期金利がやや上昇したことも、金先物の上昇を抑える一因となったようだ。

 

米国債券市場は反落:低調な入札結果受け売り優勢に

米国債市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)2.48%で終了した。中国が米国との通商交渉に前向きとの報道が伝わると売りが先行した。また、低調な10年債入札も相場の重石となった。

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