FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易協議の先行きに警戒感

NYダウは473.39ドル安の25965.09、ナスダックは159.53ポイント安の7963.76で取引を終了した。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が2000億ドル分の中国製品に対する制裁関税を10日に10%から25%に引き上げると表明すると、米中貿易協議の先行きに警戒感が増した。キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄中心に売りが集まり、指数は一時640ドル超下落する場面があった。アップルやマイクロソフトなども軟調だった。VIX指数が一時21.84と1月23日以来の高水準まで急伸したことで、『リスク回避の売りが加速した』との指摘もあった。VIX指数は15.44から19.32へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の動きから円買い優勢

ドル/円は、トランプ米大統領に続き、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が対中追加関税の引き上げを表明すると、米中貿易摩擦の激化懸念が高まり米国株相場が急落した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利の低下も相場の重しとなり、一時110.17円と3月28日以来の安値を付けた。

ユーロ/ドルは、 欧州の取引時間帯に、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が2019-20年のユーロ圏成長率見通しを引き下げたと伝わった。NY市場に入ってもユーロ売り・ドル買いが出て一時1.1167ドルまで値を下げた。ただ、前日の安値1.1159ドルが目先サポートとして意識されたほか、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると1.1194ドル付近まで下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は反落:米中貿易摩擦の長期化を警戒した売り

NY原油先物市場は60.66-62.49ドルのレンジ相場となった。米中関係悪化により世界景気が減速し、エネルギー需要が後退するとの懸念が台頭した。米エネルギー情報局(EIA)が、2019年の米原油生産量の増加見通しを示したことも嫌気された。翌日のEIA週間在庫統計の発表を前に、売り方向で調整が進んだ。 また、米国株式の大幅下落も嫌気された。ただ、米長期金利の低下や為替相場のドル安進行を意識した買いも入っており、原油先物の下げ幅はやや縮小した。

 

NY金先物市場は小幅続伸:欧米株の大幅安でリスク回避の買い優勢

NY金先物市場は1279.10-1287.30ドルのレンジ相場となった。米中貿易協議は今週開かれることになったが、米中貿易摩擦の長期化に対する警戒感が高まっており、米国株式が大幅安となったことを受けて安全逃避の買いが優勢となった。また、対主要通貨でのドル軟化が、ドルの代替資産との側面もある金の価格を押し上げる一因となった。

 

米国債券市場は続伸:世界的な株価下落でリスク回避の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(金利は低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.45%で終了した。米中貿易協議の行方をめぐる懸念が拡大する中、世界的に株価が大幅下落したことで、安全資産とされる米国債に買いが入った。

 

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