FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易摩擦が激化するとの警戒感

NYダウは66.47ドル安の26438.48、ナスダックは40.71ポイント安の8123.29で取引を終了した。トランプ米大統領が対中関税の引き上げを表明したことで、米中貿易摩擦が激化し世界経済が一段と減速するとの警戒感が高まった。NYダウの下げ幅は一時470ドルを超えた。ただ、中国外務省が『米中通商協議に向けて交渉団は訪米の準備中』との見解を示したことや、関税引き上げがトランプ大統領による交渉テクニックであるとの見方も広がり、引けにかけて下げ幅を縮小する展開となった。VIX指数は12.87から15.44へ大幅に上昇した。

 

NY外国為替市場:米中貿易摩擦の激化懸念でリスク回避の円買い

ドル/円は、トランプ米大統領は5日、ツイッターで『中国からの輸入品2000億ドル相当に対する追加関税を10日に10%から25%へ引き上げる』と表明した。米中貿易摩擦が激化し世界経済が一段と減速するとの警戒感が高まった。東京市場では一時110.28円と3月28日以来の安値まで売り込まれる場面があった。ただ、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。一時は470ドル超下落したNYダウが28ドル安程度まで大幅に下げ渋ったことを受けて110.95円と日通し高値を付けた。半面、前週末の安値111.07円が目先戻りの目処として意識されると上値が重くなった。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が『米政府は10日に対中関税を引き上げる』と述べたほか、ムニューシン米財務長官が『中国との貿易協議の方向は大きく変わった』と発言したことも相場の重しとなった。

ユーロ/ドルは、米中貿易戦争に対する懸念が再燃し、米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.1209ドルと日通し高値を付けた。ただ、2日の高値1.1219ドルが目先レジスタンスとして意識されるとやや伸び悩んだ。

 

NY原油先物市場は小幅高:米中貿易協議継続への期待から買い戻し

NY原油先物市場は60.04-2.95ドルのレンジ相場となった。米中の貿易戦争が激化するとの懸念は、原油をはじめとしたリスク資産の重石となり、一時60.04ドルまで下落した。ただ、『米中貿易協議は今週予定通り行われる見込み』と報じられたことから、62ドル台を回復した。米国株式の下げ幅縮小も好感された。また、イランけん制のために、米国が部隊を中東へ派遣するとのニュースが、供給停滞の思惑を高め、原油相場を支援した。

 

NY金先物市場は小幅高:米長期金利とドル安が下支え

NY金先物市場は1278.10-1287.40ドルのレンジ相場となった。限定的な値幅だったが、ユーロなど主要通貨に対しドルが軟化したことが、ドル建て金相場の押し上げ要因となった。米中貿易戦争の悪化懸念が米長期金利を押し下げ、ドル売りにつながった。通商問題はリスク回避資産としての金需要喚起も意識させた。 ただ、『米中貿易協議は今週予定通り行われる見込み』と報じられたことから、安全資産としての金買いは縮小した。

 

米国債市場は続伸:米中貿易摩擦激化懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(金利は低下)した。米10年国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)2.47%で終了した。トランプ米大統領が中国製品への関税を強化すると表明したことを受けて、米中貿易協議の先行きへの懸念が再燃し安全資産とされる債券に買いが入った。取引終了間際にライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が『交渉が不調の場合、10日に対中関税を引き上げる』と述べたと伝わると、債券買いが加速した。

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