★米国株式市場は下落:世界経済の減速懸念を嫌気した売り
NYダウは460.19ドル安の25502.32、ナスダックは196.29ポイント安の7642.67で取引を終了した。欧米の経済指標が軒並み予想を下回り、世界経済の減速懸念が強まった。ボーイング(2.83%安)やナイキ(6.61%安)など個別に悪材料が出た銘柄が売られ、指数の重しとなった面もある。債券市場では長期金利が急低下した一方、短期金利はそれほど下がらず、一部で長期金利が短期金利の水準を下回る「逆イールド」が発生した。金利低下により銀行の収益が圧迫されるとの見方からゴールドマン・サックス(2.89%安)やJPモルガン・チェース(3.02%安)など金融株が下落し指数を押し下げた。NYダウは460ドル超安のほぼ安値引けとなった。 VIX指数は13.63から16.48へ上昇した。
★NY外国為替市場:世界経済減速懸念からリスク回避の円買い
ドル/円は、米3月製造業PMI速報値が52.5と予想の53.6を下回り、同月の米サービス部門PMI速報値が54.8と予想の56.0より弱い内容だったことが分かると円買い・ドル売りが先行した。世界経済の減速懸念が強まる中、米10年債利回りが一時2.416%前後と昨年1月上旬以来の低水準を付けたことも相場の重石となり、一時109.74円と2月11日以来の安値を更新した。売り一巡後はショートカバーが入ったため110.18円付近まで下げ渋る場面もあったが、米国株が引けにかけて再び弱含むとドル円も109円台後半まで押し戻された。
ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された3月の仏・独・ユーロ圏製造業PMI速報値が軒並み市場予想を下回ったことを受けてユーロ全面安の展開となった。欧州経済の減速懸念が高まる中、独10年債利回りが2016年10月以来となるマイナス金利を付けたことも相場の重石となり、一時1.1273ドルと日通し安値を付けた。NY時間午後は米金利低下などを手掛かりに下げ止まったものの、戻りは鈍かった。
★NY原油先物市場は続落:世界的に原油需要の鈍化懸念で売り優勢
NY原油先物市場は、欧米の弱い経済指標を受けて世界的な景気減速への懸念が高まり、エネルギー需要減少への警戒感から原油相場は売りが先行し、一時58.28ドルまで下落した。株・債券・為替相場でリスクオフ基調が強まったことも、リスク資産である原油の売りを強めた。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比9基減少の824基となった。
★NY金先物市場は続伸:米国株安や債券金利の低下を好感
NY金先物市場は、欧米長期金利の低下が金利の付かない金にとっては追い風となり、NY金先物は買いが先行した。また、米国株が大幅に下落したことも金の下支えとなった。しかしながら、為替相場でドルがユーロに対して上昇したことがドル建て金先物の重しとなり、その上げ幅は限定された。
★米国債券市場は大幅に反発:安全資産の債券に買い集中
米国債券市場で長期ゾーンは大幅に反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)2.44%で終了した。欧米の経済指標が軒並み予想を下回り世界経済の減速懸念が強まると、安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時2.416%前後と昨年1月上旬以来の低水準を付けた。なお、3カ月物財務省短期証券(TB)と10年債の利回りが約12年ぶりに逆転した(逆イールド)。「逆イールド」は先行きの景気後退を示唆するとして警戒感が高まった。
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