FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:世界的な景気減速懸念で売り優勢

NYダウは22.99ドル安の25450.24、ナスダックは13.32ポイント安の7408.14で取引を終了した。米2月雇用統計で、景気動向を示す非農業部門雇用者数が大幅に予想を下回り、米景気の先行きに不安が広がった。前日のECBの年内利上げ断念や本日の低調な中国貿易収支などを受けて、世界的に景気が減速していると懸念されており、米株の重石となった面もある。指数は一時220ドル超下げた。ただ、引けにかけては下げ幅を縮めた。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入り相場を支えた。 VIX指数は16.33から16.05へ低下した。

 

NY外国為替市場:米雇用統計で振れるもドルは行って来い相場

ドル/円は、米2月雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比2万人増と予想の18万人増を大幅に下回ったことを受けて、円買い・ドル売りが先行し、一時110.74円と日通し安値を付けた。ただ、失業率の低下と賃金の上昇がドルの下値を支えたため、その後は底堅く推移し、一時111.20円付近まで持ち直したあとは111円台前半での狭いレンジ取引に終始した。なお、2月の米失業率は3.8%と予想の3.9%より強い内容となり歴史的な低水準を維持したほか、平均時給は前月比0.4%増/前年同月比3.4%増と予想の0.3%増/3.3%増を上回り、伸び率は2009年4月以降およそ10年ぶりの水準となった。

 ユーロ/ドルは、景気動向を敏感に反映する米国の非農業部門雇用者数が予想より弱い数字となったことでユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1246ドルと日通し高値を付けた。前日の急落の反動でポジション調整目的の買いが入りやすかった面もあった。ただ、ユーロ圏の景気懸念などが意識されたこともあって、上昇のスピードは緩やかだった。 

 

NY原油先物市場は反落:世界的な景気低迷懸念から売り優勢

NY原油先物市場は、昨日から欧州景気に対する悲観論が台頭する中で、本日発表された中国の貿易収支も弱く、世界的な景気低迷懸念で原油先物価格は時間外の欧州時間から弱含んで取引された。米非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったことを受け一時54.52ドルまで大幅下落した。しかし米国株式市場が徐々に下げ幅を縮小したことで、原油先物も戻り始め小幅安に留まった。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比9基減少の834基となった。

 

NY金先物市場は反発:世界的な景気低迷懸念からリスク回避の金買い

NY金先物市場は、3月に入り弱含んでいた金先物相場だが、昨日のECBの年内利上げ断念や、本日発表された中国の低調な貿易収支などを受け、世界的な景気停滞懸念で安全資産とされる金先物に資金が流れるという予測があり、金先物は堅調に推移した。また、米2月非農業部門雇用者数が市場予想を下回り、2017年9月以降最小の伸びに留まったことも金先物を支えた。

 

米国債券市場は続伸:米景気の先行き不安でリスク回避の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)2.63%で終了した。米2月雇用統計で景気動向を示す非農業部門雇用者数が大幅に予想を下回り、米景気の先行きに不安が広がると安全資産としての米国債に買いが入った。利回りは一時2.6051%前後と1月4日以来の低水準となった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ