FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米貿易赤い拡大を嫌気した売り

NYダウは133.17安の25673.46、ナスダックは70.44ポイント安の7505.92で取引を終了した。12月貿易赤字が10年ぶりの高水準となり寄付き後から下落する展開となった。2018年の米貿易統計で中国に対するモノの貿易赤字は4192億ドルとなり過去最大を更新した。トランプ米大統領が貿易協議で一段と強硬姿勢に傾くとの警戒感が広がり、相場の押し下げ要因となった。ただ、トランプ米大統領が『中国との通商交渉は良い方向に向かっている』と述べたと伝わると、やや下げ渋った。また、経済協力開発機構(OECD)が世界経済見通しを再び下方修正したほか、地区連銀経済報告(ベージュブック)では、多くの地域で景気減速が指摘されたことが相場の重石となった。VIX指数は14.74から15.74へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米ドルは悪材料にも底堅い展開

ドル/円は、12月米貿易収支が598億ドルの赤字と予想の579億ドルの赤字より弱い内容となったうえ、2018年の貿易赤字が6210億ドルと10年ぶりの高水準となったため円買い・ドル売りが先行した。前日の安値111.72円を下抜けて一時111.62円まで値を下げた。ただ、対カナダドル中心に米ドル高が進んだ影響を受けて、引けにかけては111.81円付近まで下げ渋った。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では12地区のうち10地区が『米経済活動は僅か(slight)もしくは穏やか(moderate)なペースで拡大した』と総括し、2地区は『横ばいだった』と指摘した。 

ユーロ/ドルは、翌日にECB定例理事会を控える中、関係者の話として『ECBは新たな貸出条件付きの流動性供給オペ(TLTRO)を正当化するためインフレ・成長見通しを引き下げる可能性』と伝わりユーロ売りが先行し、一時1.1286ドルと日通し安値を付けた。ただ、米貿易赤字の拡大や米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進むと、一時1.1325ドルと日通し高値を付けた。明日の金融イベントを前に様子見ムードが広がり、方向感が出にくかった。今日一日の値幅は0.0039ドル程度で商いは盛り上がりに欠けた。 

 

NY原油先物市場は続落:原油在庫が予想を大幅に上回る在庫増を嫌気

NY原油先物市場は55.42-56.40ドルのレンジ相場だった。米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した週間在庫統計で、原油在庫が予想を大幅に上回る増加を記録していたことが売り要因となった。一方、ガソリン在庫は市場予想(-162.5万バレル)を上回る減少を記録した。主要産油国は2019年に原油供給の削減を行なう予定だが、原油需要が予想を下回った場合、原油価格は1バレル=50ドルを下回る可能性が高いとみられている。

 

NY金先物市場は反発:リスク回避の買いや値ごろ感からの買い優勢

NY金先物市場は1284.30-1291.80ドルのレンジ相場となった。米ドル高は続いているものの、米長期金利の低下や米国株安でリスク回避の買いが優勢となった。また、7日連続して下落していたことで値ごろ感の買いも入り、金価格は8日ぶりに反発した。またスウェーデン中銀が金の保有量を高めると発表したことも支えとなった。

 

米国債券市場は続伸:世界経済の減速懸念でリスク回避の債券買い

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)2.69%で終了した。世界経済の減速懸念や米国株安を背景に、安全資産とされる米国債に買いが入った。また、ウィリアムズ米NY連銀総裁が『FRBは次の措置に動く前に様子見し、今後のデータを待つことが可能』『米GDPは2%前後まで減速すると予想』などとハト派的な発言をしたことも債券買いを誘った。

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