FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易交渉の進展期待から買い優勢

NYダウは110.32ドル高の26026.32、ナスダックは62.82ポイント高の7595.35で取引を終了した。低調な米経済指標が相次いだことでマイナス圏に沈む場面もあったが、終盤持ち直した。米中貿易交渉が近く何らかの合意に達するとの期待感が広がり、投資家心理が上向いた。ユナイテッドヘルスやシェブロン、アップルなどの上昇が指数の押し上げ要因となった。 米景気減速への懸念から上げ幅を縮小したものの、終日堅調推移となった。VIX指数は14.78から13.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロンドン・フィキシングに絡んだドル買い優勢

ドル・円は、1月米個人所得が3年2カ月ぶりにマイナスとなったほか、2月米ISM製造業景気指数が2年3カ月ぶりの低水準となるなど、この日発表の米経済指標が軒並みさえない内容となったため円買い・ドル売りが先行し、一時111.64円付近まで値を下げた。
ただ、欧米の株式相場が上昇し投資家意欲がリスク選好に傾くなか、ドル円の下値は限られた。米長期金利が上昇傾向にあることも円売り・ドル買いを促し、一時112.07円と昨年12月20日以来の高値を更新した。市場では『月初のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが入った』との指摘もあった。

ユーロ/ドルは、低調な米経済指標が相次いだことでユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1409ドルと日通し高値を付けた。ただ、1.14ドル台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いも観測され、一時1.1355ドル付近まで押し戻される場面があった。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:弱い米経済指標受け売り優勢

NY原油先物市場は、OPECの2月産油量が約4年ぶり低水準との報道を頼りに、時間外取引では57ドル後半まで買いが先行した。しかしながらNY午前に相次いで弱い米経済指標が発表されると、景気減速から原油需要の減少が懸念され、原油先物は売り戻しが強まった。週末を控えたポジション調整の動きも下げを加速させ、一時55ドル半ばまで下げ幅を拡大した。 米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比10基減少の843基となった。

 

NY金先物市場は大幅続落:リスク選好の動きに売り優勢

NY金先物市場は一時1291.30ドルまで売られた。世界的な株高を背景に安全資産の金買いは大幅に縮小し、金先物は節目となる1300ドルを1ヵ月ぶりに下回った。米通商代表部(USTR)は3月1日に設定されていた米中両国による貿易協議の期限延長を正式に発表したことから、欧米やアジア諸国の株価指数が総じて上昇し、株高を受けて米長期金利は上昇したことなどが売り材料となった。また、外国為替市場でドルがユーロに対して強含みに転じたことも金先物相場の下落を促す一因となった。

 

米国債券市場は続落:米中貿易交渉進展期待から売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)2.75%で終了した。米中貿易交渉が進展するとの期待から株式相場が上昇した。そのため、安全資産とされる米国債に売りが出た。市場では『金利がここ1ヶ月ほどのレンジを上抜けしたことで、一段の債券売り(金利は上昇)が出やすかった』との指摘があった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ