FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米中協議への楽観論後退し相場の重石

NYダウは72.82ドル安の25985.16、ナスダックは5.21ポイント高の7554.51で取引を終了した。インドとパキスタンの軍事対立を受け、投資家の地政学リスクを警戒するムードが高まった。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が『中国による追加購入だけでは通商交渉合意には不十分』と述べると、米中協議への楽観論がやや後退し相場の重石となった面もあった。 米朝首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から下げ幅を縮小したものの、相場を押し上げるには至らなかった。VIX指数は15.17から14.70へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で総じてドル買い

ドル/円は、トランプ米大統領がこの日の米朝首脳会談について『今回の会談は昨年の会談と同等かそれ以上のものだった』「明日記者会見を行う」などと発言した。朝鮮半島非核化に向けた協議の進展などへの期待から円売り・ドル買いが先行した。米長期金利が上昇に転じ、2.696%前後まで上昇幅を広げると円売り・ドル買いが活発化し、一時111.07円まで上値を伸ばした。なお、ライトハイザー米通商代表部代表が『中国による追加購入だけでは通商交渉合意には不十分』と述べると米国株が下げ幅を拡大したため、ドル円も110.73円付近まで売られる場面があったが、下押しは限定的だった。 

ユーロ/ドルは、ポンド/ドルの上昇につれた買いが入り、一時1.1404ドルまで値を上げたものの、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが強まると徐々に上値を切り下げた。ユーロポンドの下落につれた売りも出て一時1.1363ドルと日通し安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は大幅高:原油在庫の予想外の大幅減少で買い優勢

NY原油先物市場は、55.72-57.39ドルのレンジ相場となった。サウジアラビアのエネルギー相が協調減産延長の可能性を示唆し、時間外から56ドル台で買い優勢だった。米エネルギー省(EIA)発表の週間石油在庫で、原油が864.7万バレル減と6週間ぶりの取り崩しとなったことが明らかになった。一部の積み増し予想からの大幅取り崩しに原油先物には買いが集まり、一時57.39ドルまで上値を伸ばした。しかし、通常取引終了後は利食い売りが観測され上昇一服の展開となった。

 

NY金先物市場は3日続落:リスク回避の動きが後退した売り

NY金先物市場は一時1318.40ドルまで売られた。米長期金利が上昇基調となり、金利がつかない金は売りが先行した。米朝首脳会談が順調に進んでいることをトランプ米大統領が示唆したことも、安全資産の金にとっては圧迫要因になった。インド・パキスタンの間で軍事的緊張が高まっているが、こちらは金の買い材料とはならなかった。 1328ドル割れではストップロスとみられる売りも観測された。

 

米国債券市場は反落:需給悪化懸念から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)2.68%で終了した。米企業の大型起債が相次いでいることから、需給悪化を懸念した売りが優勢となった。

 

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