FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:欧州の景気減速懸念や米中貿易戦争再燃懸念を嫌気

NYダウは220.77ドル安の2516.53、ナスダックは86.93ポイント安の7288.35で取引を終了した。欧州委員会がユーロ圏成長見通しを下方修正したことで、欧州を中心に世界景気の減速懸念が再燃するなか、クドローNEC委員長が米中交渉の合意まで『距離がある』との見方を示した。また、トランプ大統領も3月2日の期限まで習主席と会おうことはないだろうと語ったことを受け、米中の貿易協議合意に対する期待が後退し売りが加速した。下げ幅は一時380ドルを超える場面があった。ボーイングやゴールドマン・サックス、アップルの下落が相場の重し。半面、トラベラーズやウォルマートなどは買われ、相場の下支え要因となった。 VIX指数は15.38から16.37へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル高・円高

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された独経済指標が前日に続き低調な内容となったほか、欧州委員会がユーロ圏の経済成長率見通しを大幅に下方修正したためユーロ売りが先行し、一時1.1325ドルと1月25日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入った。なお、フランス外務省はこの日、駐イタリア大使の召還を決定。度重なるイタリア政権によるフランスへの非難や挑発的言動に抗議した。フランスとイタリアの関係悪化が懸念されてユーロが売られる場面もあったが、反応は一時的だった。 

ドル/円は、一時110.09円まで上昇する場面があったが、4日に付けた年初来高値110.16円の上抜けに失敗すると失速した。世界景気の減速懸念で欧州株やNYダウ先物が下落するとリスク回避的な円買い・ドル売りが入り、一時109.58円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値109.56円が目先サポートとして意識されると徐々に買い戻しが入り下げ幅を縮めている。 

 

NY原油先物市場は反落:世界景気減速懸念による需要減への警戒

NY原油先物市場は一時51.80ドルまで売られた。ユーロ圏の経済成長率見通しが下方修正され、世界景気減速による原油需要減への警戒感が高まり、原油先物は売りが強まった。米中通商協議への期待感が後退し、米株が軟調に推移したこともリスク資産の原油の下押し要因となった。 

 

NY金先物市場は続落:リスク回避の動きで買い戻し

NY金先物市場は、一時1306.40ドルまで売られたが、安全資産としての買いが入ったことで一時1315.80ドルまで戻した。アジア市場ではドル高を意識して金先物は弱含みとなったが、北米市場では米中貿易協議の進展に対する懐疑的な見方が浮上し、米国株式が反落したことを受けて安全逃避目的の金買いが優勢となった。前日の引け水準を中心に上下し、小幅な下げ幅で終了した。

 

米国債券市場は上昇:世界景気減速懸念再燃で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。この日から長期金利の指標となった表面利率2.65%の新発10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)2.65%で終了した。欧州を中心に世界景気の減速懸念が再燃したため、安全資産とされる米国債に買いが先行した。米30年物国債入札は『無難』な結果となったことも買い安心感につながった。

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