FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易交渉の進展を好感した買い

NYダウは122.80ドル高の24001.92、ナスダックは28.99ポイント高の6986.07で取引を終了した。年末商戦の売上高が失望に終わったとの見方から小売株が軒並み急落して始まると、NYダウも一時170ドル超下げた。ただ、米利上げが打ち止めになるとの見方から押し目買いも入りやすく、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。市場では『米中貿易交渉の進展を好感した買いが続いた』との指摘もあり、中盤上げに転じた。アナリストが投資判断を引き上げたボーイングが買われ、指数の上昇をけん引した面もあった。 ただ、パウエル米FRB議長が連銀のバランスシートを縮小する金融政策を維持していることに言及したことも嫌気された。VIX指数は19.98から19.50へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇したことでドル買い

ドル/円は、ここのところ米利上げが打ち止めになるとの見方からドル安が進んでいたものの、この日の海外市場では米中貿易交渉の進展や米国株相場の上昇を手掛かりにドル買い戻しの動きが広がった。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことや米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、取引終了間際に一時108.51円と日通し高値を付けた。 ユーロ/ドルは、欧州景気の減速が改めて意識される中、このところ進んでいたドル安の巻き戻しが優勢となった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、一時1.1485ドルと日通し安値を付けた。 

パウエル米FRB議長は対談に出席し『必要があれば素早く柔軟に政策を変更する』などと述べたほか、FRBのバランスシートについては『緩やかながらも縮小していくことが望ましい』との認識を示した。市場では『FRB議長がバランスシート縮小継続を示唆したことがドルの買い戻しを後押しした』との声が聞かれた。また、ブラード米セントルイス連銀総裁は講演で『FOMCはすでに十分先手を取っている』『FRBは利上げを中止するべき』との見解を示したが、目立った反応は見られなかった。

 

NY原油先物市場は続伸:協調減産の思惑や米中通商協議の進展を好感

NY原油先物市場は一時52.78ドルまで買われた。前日5%超の大幅続伸の反動でこの日は利食い売りが先行したものの、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国の協調減産、米中通商協議の進展期待を背景とした買い意欲は強く、下値は51.37ドルにとどめるとじりじりと上値を伸ばし、前日比でプラス圏に浮上した。ただ、為替相場でドルが対ユーロで買い戻しが優勢となり、ドル建ての原油は割高感で上値は限られた。 また、世界経済の減速に対する警戒感は払拭されていないため、原油需要が大幅に増加しない場合、需給悪化によって原油価格は反落するとの見方は残されている。

 

NY金先物市場は反落:ドル高や米長期金利上昇を嫌気

NY金先物市場は一時1286.70ドルまで売られた。米FRBの利上げ打ち止め思惑が高まっているなか、金先物は買いが先行したが、為替市場でドルが対ユーロなどで買い戻しが強まったことや米長期金利の上昇で売りが入り、反落して取引を終えた。ただ、足もとでは金の上昇トレンドが続くとの見方が多い。 

 

米国債券市場は反落:米国株高と低調な米30年債入札を嫌気

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)2.74%で終了した。米国株の上昇や低調な米30年物国債入札を受けて、債券売りが優勢となった。

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