FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:FOMCの結果受け一転下落基調

NYダウは351.98ドル安の23323.66、ナスダックは147.08ポイント安の6636.83で終了した。前日の流れを受けて買いが先行したものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑から上値も限られた。FOMCの結果やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が市場の期待ほどハト派的ではなかったと受け止められ、売りが優勢となった。世界景気の先行き不透明感から売りが出やすい面もあり、下げ幅は一時510ドルを超えた。なお、序盤は堅調に推移し380ドル超上げる場面があった。NYダウは2017年11月15日以来約1年1ヵ月ぶりの安値となった。VIX指数は前日と変わらず25.58となった。

 

NY外国為替市場:FOMCでハト派的でなかったことからドル買い戻し

ドル/円は、欧州通貨や新興国通貨に対してドル売りが進んだ流れに沿って円買い・ドル売りが先行した。原油先物価格が急反発したことでドル売り・資源国通貨買いも目立った。アジア時間の安値112.19円を下抜けて一時112.05円と10月29日以来の安値を付けた。ただ、FOMC後は『FRBの利上げ見通しが予想ほどハト派的ではなかった』ことからドルを買い戻す動きが広がり、一時112.66円と日通し高値を付ける場面があった。とはいえ、米国株や日経平均先物が急落したため戻りも限定的だった。

ユーロ/ドルは、 FOMCの結果公表を控えるなか、思惑的なユーロ買い・ドル売りが先行した。欧州連合(EU)の欧州委員会がイタリアの2019年修正予算案を承認したことも買い安心感につながり、一時1.1439ドルと10日以来の高値を付けた。ただ、FOMCの結果が公表されると一転下落した。『FRBは市場の期待ほどハト派的ではなかった』と受け止められたため、FOMC後はドル買い戻しの動きが広がり一時1.1365ドル付近まで下押しした。

 

NY原油先物市場は反発:値ごろ感の買いとポジション調整の買い戻し

NY原油先物市場は一時48.00ドルまで買われた。前日に4日続落し、7%超の大幅安で2017年8月以来の安値をつけたことで、安値拾いの買いや持ち高調整の買い戻しが優勢となった。米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計の発表後も堅調地合いを維持した。原油在庫は49.7万バレルの取り崩しと予想ほど減少しなかったが、ディスティレート(留出油)は在庫増の予想に反して423.7万バレル減となった。 サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は『OPECやその他の主要産油国は来年も減産を続ける』との見方を示したことが好感された。

 

NY金先物市場は小幅続伸:FOMC結果前に買われ結果後売られる展開

NY金先物市場では一時1262.20ドルまで買われたものの、米追加利上げ決定後に1245.40ドルまで反落した。為替相場でドルが対ユーロなどで下落したことや、米連邦公開市場委員会(FOMC)がハト派寄りの内容になるとの見方が強いことで、金は買いが優勢となった。しかしFOMC会合の結果判明後にユーロが反落したことから、安全逃避的な金買いは縮小した。

 

米国債券市場は続伸:世界景気の減速懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.06%低い(価格は上昇)2.75%で終了した。5月下旬以来7ヵ月ぶりの低さとなった。世界景気の減速懸念が根強い中で、FOMCの結果を受けて債券買いが強まった。ただ、市場では『期待したほどハト派的ではなかった』との受け止めが多かった。
 

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