FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中首脳会談を控え神経質な展開

NYダウは27.59ドル安の25338.84、ナスダックは18.51ポイント安の7273.08で取引を終了した。早期の米利上げ打ち止め観測から前日に617ドルの大幅高となった反動や、FOMC議事録の内容を見極めたいとの思惑から利益確定目的の売りがやや優勢となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表後にプラス圏を回復する場面もあったが、買いの勢いは長続きしなかった。市場では『通商摩擦問題について協議する米中首脳会談を今週末に控えて神経質な展開だった』との声が聞かれた。 VIX指数は18.49から18.79へ上昇した。

 

NY外国為替市場:週末イベントを控え方向感を欠く動き

ドル/円は、米商務省が発表した10月米個人消費支出(PCE)は予想を上回ったものの、物価動向を表す指標で食品とエネルギーを除いたコアのPCEデフレータが市場予想を下回り、2月以来の小幅な伸びにとどまった。また、前週分の米新規失業保険申請件数が市場予想よりも弱い内容となったことも円買い・ドル売りを促し、一時113.19円まで値を下げた。しかし、売り一巡後は下げ渋る展開になった。安く始まった米国株が一時プラス圏に浮上するなど底堅く推移したことを受けて円売り・ドル買いが出た。米長期金利が低下幅を縮めたことなども相場の下支え要因となり、113.56円付近まで買い戻される場面があった。『米国と中国は緊張緩和のための取引を検討している』との報道も好感された。米連邦準備理事会(FRB)が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではほとんどのメンバーが『追加利上げは早期に正当化される』と表明し、次回12月会合での追加利上げを示唆した。また、利上げの打ち止め時期やその伝達方法を巡って議論が始まったことなども明らかになった。 ユーロ/ドルは、ポンド/ドルの下落につれた売りが出て一時1.1349ドルと日通し安値を付けたものの、低調な米経済指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが強まると一時1.1402ドルと日通し高値を付けた。ただ、そのあとは週末のG20首脳会議や米中首脳会談など注目イベントを控えて、次第に値動きが細った。 

 

NY原油先物市場は反発:ロシアとOPECによる減産観測から買い戻し

NY原油先物市場は一時49.41ドルまで下落したが、通常取引終了時点にかけて買戻しが入った。供給過剰の懸念で1月限は50ドル大台を割り込み、一時1年2カ月ぶりの安値水準まで下落したが、利益確定の買い戻しや来週開かれる石油輸出国機構(OPEC)総会での協調減産期待で反発して取引を終えた。ロシアがOPECとの協調減産に前向きな姿勢を示したとの報道も好感された。

 

NY金先物市場は小幅高:米長期金利の伸び悩みを好感した買い

NY金先物は一時1234.90ドルまで買われた。昨日のパウエル米FRB議長の講演を受けて早期の利上げ打ち止め観測が高まったことを背景とした米長期金利の低下やドルの重い動きが継続するなか、金先物は底堅い動きとなった。ただ、週末にG20と米中首脳会談という注目イベントを控え、値動きは限られた。 原油価格の下げ止まりや欧州政治不安も金先物相場に対する支援材料となっている。

 

米国債市場は上昇:FRBの利上げ打ち止め観測を好感

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.02%低い(価格は上昇)3.03%で終了した。FRBの利上げ打ち止めが近いとの思惑が広がる中、債券買いが優勢となった。米長期金利は一時2.9952%前後と9月18日以来の低水準を付けた。

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