FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:貿易戦争懸念が高まり売り優勢に

NYダウは248.91ドル安の24758.12、ナスダックは14.20ポイント安の7496.81で取引を終了した。米2月生産者物価指数(PPI)が前月より減少したほか、小売売上高も市場予想を下振れ、インフレ上昇犬猿が後退し買いが先行した。しかし、米政府が中国製品に高関税を課す措置を検討していることを受け、中国との貿易摩擦を懸念した売りがボーイングなどに出た。また、金利の低下による利ざや縮小観測から銀行株なども下げた。VIX指数は15.78から17.23へ上昇した。

 

NY外国為替市場:貿易戦争懸念でリスク回避の円買い

ドル/円は、米2月小売売上高が予想外のマイナスになったためドル売りが優勢となった。そのほか、トランプ政権が中国のテクノロジー、通信を標的に最大600億ドル規模の輸入品に関税を検討しているとの報道、トランプ米大統領がツイートで、『我々は不公平貿易の蔓延を見逃し続けることはできない」を受けて、貿易戦争への警戒感が広がりドル売り、リスク回避の円買いにさらに拍車がかかった。 ユーロ/ドルは、米小売統計後にドル売りが強まった場面では1.2397ドルまで上昇したものの、その後はユーロクロスの下げにつれて一時1.2347ドルまで下押しした。ドラギECB総裁がユーロ高に懸念を示したことが引き続き材料視されたが、ユーロクロスの売りが一巡すると1.2380ドル近辺まで切り返すなど一方的に売りが進む展開にもならなかった。

 

NY原油先物市場は反発:ガソリン在庫減少を好感した買い

NY原油先物市場は一時63.33ドルまで買われた。ガソリン在庫の減少を意識した買いが入った。ただ、米国株の大幅下落を嫌気して上げ幅は縮小した。市場予想を上回る原油在庫の増加を意識した利食い売りも観測された。この日の原油価格は下げ渋ったものの、米国内のシェールオイル生産拡大に対する警戒感は消えていない。

 

NY金・銀先物市場は下落:次期米NEC委員長発言を嫌気した売り

NY金先物市場は1321.70ドルまで売られた。米2月小売売上高が市場予想に反して前月比マイナス0.1%減少したものの、2月生産者物価指数(PPI)は前年比+2.8%と1月実績の同比+2.7%を上回ったことが嫌気された。また、米国家経済会議(NEC)の次期委員長となるラリー・クドロー氏はメディアに対して『トランプ大統領がドルの価値の低下を目にしたくないと確信している』と述べたことも売り材料となった。米国株の下落に対する買いは限定的だった。

 

米国債券市場は続伸:米国株下落で債券需要高まる

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.03%低い(価格は上昇)2.81%で終了した。米2月小売売上高が予想に反して減少したほか、米国株式市場が軟調に推移したことを受け、リスク回避の債券需要が高まった。

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