FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米経済のソフトランディング期待から買い優勢に

NYダウは242.74ドル高の38049.13ドル、ナスダックは28.58ポイント高の15510.50ポイントで取引を終了した。寄り付きは上昇した。朝方発表された2023年10‐12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比3.3%増と市場予想を上回る強さを見せた一方、インフレの落ち着きが確認されたことで米経済のソフトランディング期待が高まった。ナスダックは決算が失望された電気自動車メーカーテスラが押し下げ、下落に転じる場面もあった。VIX指数は13.14から13.50へ上昇した。

 

NY外国為替市場:インフレ抑制から米長期金利低下がドルの重し

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、市場予想通り政策金利を4.50%で据え置くことを決めたと発表した。声明では「金利水準は十分に長い期間維持される必要がある」「総合インフレに対するエネルギー関連のベース上昇効果とは別に、基調インフレの低下傾向は続いている」と指摘した。また、ラガルド総裁は理事会後の会見で「成長に対するリスクは引き続き下振れ方向」「短期的なインフレ期待の指標は著しく低下した」「インフレはさらに緩和すると予想」などと発言した。短期金融市場でECBの利下げ観測が高まると、ユーロを売る動きが広がり、一時1.0822ドルと日通し安値を更新した。なお、ECB関係者の話として「ECBはインフレ統計が改善すれば、3月にも利下げ議論を開始する用意がある」との報道が伝わった。

 

ドル/円は、10-12月期米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率3.3%増と予想の2.0%増を上回ったことが分かるとドル買いが先行し一時147.92円と日通し高値を付けたものの、すぐに失速した。米連邦準備理事会(FRB)が重視するインフレ指標である食品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数が前期比年率2.0%上昇と市場予想通りとなり、インフレ抑制が進んでいるとの見方が広がった。米長期金利の低下とともに一転ドル売りが優勢となり、一時147.09円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。対ユーロ中心にドル買いが進んだ流れに沿って、3時前には147.90円付近まで持ち直した。節目の147.00円や一目均衡表転換線146.84円、雲の上限146.44円がサポートとして働いた面もあった。

 

NY原油先物市場は続伸:紅海での地政学的リスクの高まりから買い

NY原油先物市場は75.16ドル‐77.51ドルのレンジ相場となった。紅海での地政学的リスクの高まりを背景に、買いが先行した。前日のEIA石油在庫統計で原油在庫が大幅に減少したほか、中国の景気回復期待の高まりも上昇を後押しした模様。アジア市場で75.16ドルまで下げたが、需給ひっ迫の思惑が強まり、米国市場の後半にかけて77.51ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に77ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は小幅反発:米朝金利が低下すると買い優勢に

NY金先物市場は2004.00‐2025.60ドルのレンジ相場となった。10-12月期米国内総生産(GDP)速報値が予想を上回るも、米連邦準備理事会(FRB)が重視するインフレ指標である食品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数が前期比年率2.0%上昇と市場予想通りとなり、インフレ抑制が進んでいるとの見方が広がった。これを受けて米長期金利が低下すると、金が買われる場面があった。もっとも、その後は明日の12月米PCEデフレーターを前に様子見ムードが広がった。米国市場の序盤にかけて2004.00ドルまで下げた後、一時2025.60ドルまで反発したが、その後は伸び悩み。ドル高を意識して2012.40ドルまで下げており、通常取引終了後の時間外取引では主に2016ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:インフレ鈍化傾向から買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.08%低い(価格は上昇)4.29%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い4.12%で終了した。10‐12月期米国内総生産(GDP)速報値は予想を上回ったものの、あわせて発表された物価指標がインフレの鈍化傾向を示したことで買い(利回りは低下)が優勢となった。7年債入札が「無難」と受け止められたことも相場の支援材料。

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