★米国株式市場は続落:早期利下げ観測が大きく後退して売り優勢に
NYダウは94.45ドル安の37266.67ドル、ナスダックは88.73ポイント安の14855.62ポイントで取引を終了した。小売売上高や住宅関連指標が予想を上回ったため、早期利下げ観測が大きく後退し寄り付き後は下落した。その後も長期金利の上昇に連れ、下げ幅を拡大し、終日相場は軟調に推移した。終盤にかけて連邦準備制度理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)の結果がタカ派的な内容とならず金利も下げ止まると、下げ幅を縮小して終了した。VIX指数は13.84から14.79へ上昇した。
★NY外国為替市場:早期利下げ観測後退から米長期金利上昇でドル買い優勢
ドル/円は、米商務省が発表した12月米小売売上高が前月比0.6%増と予想の0.4%増を上回り、自動車を除いたベースでも前月比0.4%増と予想の0.2%増より強い内容だったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が早い時期に利下げに転じるとの見方が後退した。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢となった。12月米鉱工業生産や1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時148.52円と昨年11月28日以来の高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.1268%前後と昨年12月13日以来約1カ月ぶりの高水準を記録した。なお、金利スワップ市場では3月までにフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが0.25%引き下げられる確率が約50%に低下した。
ユーロ/ドルは、予想を上回る米経済指標を受けて米金利の上昇とともにドル高が進むと、1時前に一時1.0845ドルと昨年12月13日以来の安値を付けた。ただ、欧州中央銀行(ECB)高官から早期利下げ観測をけん制する発言が相次ぐ中、一本調子で下落する展開にはならなかった。NY終盤には1.0883ドル付近まで持ち直している。
★NY原油先物市場は小幅反発:供給不安が消えず買戻しが優勢に
NY原油先物市場は70.62ドル‐72.77ドルのレンジ相場となった。この日発表された10-12月期中国国内総生産(GDP)が予想を下回る結果となり、世界的なエネルギー需要への懸念から売りが先行し、一時70.50ドルまで下押す場面があったものの、その後は徐々に買い戻しが進み、引け前にプラス圏に浮上した。なお、石油輸出国機構(OPEC)は月報で2024年の世界石油需要は前年比で日量225万バレル増えるとの昨年12月の見通しを据え置いた。ドル高などを嫌気して米国市場の前半にかけて70.62ドルまで売られた。しかしながら、供給不安は消えていないため、米国市場の後半にかけて買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で72.77ドルまで上昇した。
★NY金先物市場は続落:米長期金利上昇と米ドル高を嫌気した売り
NY金先物市場は2004.60‐2036.10ドルのレンジ相場となった。12月米小売売上高など米経済指標が総じて良好な結果となり、米国の早期利下げ期待が後退。米長期金利が上昇するなか、金利を生まない資産である金の投資妙味が弱まった。アジア市場で2036.10ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を意識した売りが次第に強まり、米国市場の後半にかけて2004.60ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では主に2008ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は続落:良好な米経済指標受け売りが優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.13%高い(価格は下落)4.35%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い4.10%で終了した。この日発表の米経済指標が予想より強い結果となったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が後退すると債券売りが広がった。利回りは一時4.1268%前後と昨年12月13日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。
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