FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:地政学リスクの高まりと長期金利上昇から売り優勢に

NYダウは231.86ドル安の37361.12ドル、ナスダックは28.41ポイント安の14944.35ポイントで取引を終了した。金融セクターの下げが重しとなり、寄り付き後は下落した。航空機メーカー、ボーイング(BA)や携帯端末アップル(AAPL)の下落も相場を一段と押し下げた。空軍によるフーシ派に対する報復攻撃の報道で、地政学的リスクの上昇を受けた売りも強まった。また、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が年内の利下げが可能だが迅速な利下げは必要ないと慎重な対応を支持したため大幅利下げ観測が後退した。金利上昇に連れ下げ幅を拡大したのち終盤にかけて下げ止まり終了した。VIX指数は13.25から13.84へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇からドル買い優勢に

ドル/円は、1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲43.7と予想の▲5.0を大幅に下回ったことが分かると全般ドル売りが先行し、一時146.29円付近まで下押しした。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日、講演で「インフレが再燃しなければ、今年利下げは可能」としながらも、「インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでない」「利下げは秩序立った慎重なペースで進めるべき」などと発言。「ウォラー氏は行き過ぎた市場の利下げ期待をけん制した」との見方から、米長期金利の上昇とともにドル買いが加速し、一時147.31円と昨年12月7日以来の高値を更新した。

 

ユーロ/ドルは、ウォラー氏の発言を受けてFRBが早い時期に利下げに転じるとの見方が後退すると、米長期金利が上昇し全般ドル買いが優勢となった。欧米株価の下落を背景にリスク回避のドル買いも入り、一時1.0863ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.43と昨年12月13日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。なお、低調な米経済指標を受けて一時1.0898ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。また、欧州中央銀行(ECB)高官からは早期利下げに慎重な発言が相次いだものの、ユーロ買いでの反応は薄かった。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反落:ドル高と米長期金利の上昇を嫌気

NY原油先物市場は71.71ドル‐73.56ドルのレンジ相場となった。対ユーロなどでドル高が進み、ドル建てで取引される原油の割高感が意識された。一方で中東の地政学リスクの高まりを手掛かりにした買いも入ったため、下値も限られた。供給不安の高まりを受けて米国市場の序盤にかけて73.56ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を嫌気した売りが強まり、米国市場の中盤にかけて71.71ドルまで値を下げた。通常取引終了後の時間外取引では、主に72ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は反落:ドル高と米長期金利の上昇を嫌気

NY金先物市場は2027.60‐2060.40ドルのレンジ相場となった。欧米の金融政策当局者から早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだことを受け、欧米長期金利が上昇した。金利を生まない資産である金の投資妙味が弱まった。アジア市場の序盤に2060.40ドルまで買われたが、米長期金利の上昇やドル高を意識した売りが強まり、米国市場の前半にかけて2027.60ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では主に2030ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRB理事のタカ派発言で売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)4.22%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%高い4.06%で終了した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「インフレが再燃しなければ、今年利下げは可能」としながらも、「インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでない」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制すると売りが優勢となった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ