FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米長期金利低下を好感した買い優勢に

NYダウは15.29ドル高の37711.02ドル、ナスダックは0.53ポイント高の14970.18ポイントで取引は終了した。原油高に連れたエネルギーセクターの上昇がけん引し、寄り付き後は上昇した。しかし、12月消費者物価指数が予想を上回ったため早期利下げ観測が後退し、長期金利上昇を警戒し相場は大きく下落した。終日軟調に推移したが、終盤にかけて30年債入札の良好な結果や中東地政学的リスク上昇を受け長期金利が低下に転じると相場は下げを消して小幅高で終了した。VIX指数は12.69から12.44へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売りやや優勢に

ドル/円は、12月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.3%/前年比3.4%と予想の前月比0.2%/前年比3.2%を上回り、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.3%/前年比3.9%と前年比で予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行した。前日の高値145.83円や5日の高値145.97円を上抜けて一時146.41円と昨年12月11日以来1カ月ぶりの高値を付けた。前週分の米新規失業保険申請件数が20.2万件と予想の21.0万件より強い結果となったこともドル買いを促した。ただ、一時は4.06%台まで上昇した米10年債利回りが3.96%台まで低下するとドル/円にも売りが波及し、145.26円付近まで押し戻された。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測は根強い」との指摘があった。なお、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するメスター米クリーブランド連銀総裁は「12月CPIの結果は我々の仕事がまだ終わっていないことを示唆」「3月は利下げ時期としては恐らく早過ぎる」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制した。

 

ユーロ/ドルは、一時1.0996ドルと日通し高値を付けたものの、米CPIの上振れをきっかけにドルが全面的に買われると一時1.0930ドルと日通し安値を更新した。ただ、米長期金利が低下に転じると一転ユーロ買い・ドル売りが優勢になり、1.0983ドル付近まで持ち直した。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁はテレビインタビューで「金利はピークに達した可能性が高い」「インフレを巡る最も困難な時期は終わった」「インフレ経路がデータで確認されれば利下げを開始できる」などと話した。

 

NY原油先物市場は小反発:供給への懸念から買戻しと戻り売りの攻防

NY原油先物市場は71.17ドル‐73.81ドルのレンジ相場となった。イランが石油タンカーを拿捕とのニュースが伝わり、供給への懸念から一時73.81ドルと、3日ぶりの高値まで上昇が強まった。しかし、材料を織り込み後は上昇幅をほぼ帳消しにした。アジア市場で71.17ドルまで下げたが、供給不安は消えていないため、米国市場の中盤にかけて73.81ドルまで買われた。ただ、戻り売り興味も残されており、買い一巡後に71.79ドルまで下げており、通常取引終了後の時間外取引では主に72ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は5営業日続落:利食い売りが重しに

NY金先物市場は2017.30‐2056.10ドルのレンジ相場となった。予想を上回る米消費者物価指数(CPI)を受けて米金利が上昇した。金利が付かない資産である金の圧迫材料となり売りが強まった。米国市場の序盤にかけて2056.10ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで2017.30ドルまで反落した。ただ、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで、通常取引終了後の時間外取引で2032.30ドルまで戻している。

 

米国債券市場は上昇:30年債入札好調で買い戻し

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.10%低い(価格は上昇)4.25%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い3.97%で終了した。12月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ると売り(利回りは上昇)が先行したものの、30年債入札が『好調』と受け止められると買い(利回りは低下)戻しが優勢となり上げに転じた。

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